ラベル 業務効率化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 業務効率化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年1月26日木曜日

教育現場でチャットツールを使うメリット・デメリット

slack.comより

仕事でのコミュニケーションツールは電子メールが一般的でしたが、ここ数年はチャットワークSlackなど、ビジネス向けのチャットツールの浸透が進んでいます。特にIT関係の企業では使っていない会社な皆無だと思いますし、他の業種でも活用が進んでいます。

なぜメールではなくチャットツールかというと、メールよりも素早いやり取りが可能になり、効率良く仕事ができるからです。

となると、教育現場でもチャットツールを使えば良いのでは、という考えが生まれると思います。そして、実際に使用している例もあるでしょう。

日本発のチャットツールChatworkを導入している大学はいくつかあります。




この記事では、教育現場でチャットツールを使うことのメリット・デメリットを考えます。

前提

教育現場といっても小学校から大学までいろいろありますが、ここでは筆者の働く大学を例に出してみます。ただ、教育現場全般に通じる点もあるかと思うので、大学関係者以外もどうぞご覧ください。

そして教育現場と言っても、2種類の関係性が考えられます。1つは教職員のみのコミュニケーションです。もう一方は、教職員と学生(生徒)とのコミュニケーションです。両者は明らかに質が違うので、分けて考えてみます。

教職員間

まず、教職員間でチャットツールを使うことのメリット・デメリットを考えてみます。

メリット

  1. 応答のスピードが速くなる
  2. 情報共有が円滑になる
  3. 様々な連携機能を使える
メリットは、一般企業で導入する際と同じだと思います。チャットツールであれば、メールと違って件名や冒頭の定型文(「お世話になってます」など)を入力する必要はありません。カテゴリごとに決まったグループに投稿する仕組みなので、CC(同報)に誰を入れるかで悩む必要はありません。こういったことで、メッセージのやり取りは遥かに速くなるはずです。

また、メールよりもより気軽に投稿できるため、情報共有が円滑になります。グループメンバーは基本的に全員がメッセージを見るので、メールのように一部のひとにしか情報がいかない、といったことを防げます。

最後に、ChatworkやSlackといった有名なチャットツールは、他のツールとの連携が豊富です。Googleカレンダーと連携して自動リマインダーを設定したり、Dropboxと連携したファイル共有ができるなど、業務効率化につながる仕組み作りができます。

業務効率化という点と、情報共有による様々なシナジー効果には期待ができるでしょう。

デメリット

  1. 大事な情報が流れていってしまう
  2. 組織全体での定着が難しい
  3. メールとの使い分けが難しい
  4. 距離感が取りづらい
チャットツール自体のデメリットとしては、グループ内にどんどんメッセージが流れてくるため、放っておくと大事な情報が流れていってしまう、といった点があります。大切なメッセージに目印をつけられる「スター機能」「スレッド機能」などは付いているのですが、例えば一週間くらい仕事を離れると未読メッセージが大量に溜まっていて、どれが大切なお知らせか分からなくなってしまいます。メールだと一応ひとつひとつ開封する、件名で重要性を判断する、といったことがやりやすいので、この点はチャットツールの劣る点です。

次に、大学は巨大組織です。私の勤務先は教職員だけで1万人います。部署内ならともかく、大学全体で導入するとなると、その労力は測り知れません。また部署内で導入するにしても、組織全体で導入していなければ結局メールも併用することになり、チャットツールが浸透しない可能性があります。まあ電子メールが何だかんだで浸透したように、使い始めれば問題はなくなるのかもしれませんが。

あと、大学特有の問題ですが、教職員の間には独特の距離感があったりします。教員同士もそうですし、教員と職員の間も、同僚ではあるけれどもいわゆる会社員同士とは違う関係性があります(どう表現したらよいのか・・・)。チャットツールは距離感としてはメールよりもだいぶフランクになるので、この距離感が教職員に適しているかというと、何とも言えません。

教職員と学生の間

次に、教職員と学生の間でチャットツールを使う場合のメリット・デメリットを考えます。これは、主に授業や研究室内で使うことを想定しています(学生支援業務で使うパターンは、今回は除きます)。

メリット

  1. 学生の主体性を引き出せる
  2. 共同作業がしやすくなる
効率化の面もありますが、教育上の効果も期待できます。例えば大教室での授業だと、発言をするのはなかなか勇気がいりますよね。チャットツールでも発言をできるようにすれば、どんな学生も気兼ねなく自分の意見を投稿できるでしょう。その投稿を見ながら、教員がこれはと思う意見について、指名して詳しい意図を引き出す、といった使い方もできます。

またゼミなどの少人数の場面でも、プレゼンテーションの準備やPBL(Project Based Learning)の授業で共同作業をする際に、コミュニケーションがとりやすくなります。学生はもとよりLINEやMessangerでやりとりをしていると思いますが、それに教員が割って入るわけにもいきません。チャットツールをオフィシャルなツールとして、そこでやりとりをしてもらえば、教員が適宜フィードバックをして共同作業を進めることができます。

デメリット

  1. 学生との距離感
  2. 学生同士の問題
デメリットは、またも距離感の問題です。大学生はいくら大人だからと言っても、教員と学生という立場は変わりません。チャットツールは気軽にやりとりができる分、気をつけてないと行きすぎた言動をしてしまいます。それが学生にとってはアカハラやセクハラと取られる場合があります(メールでもアカハラ・セクハラは可能ですが・・・)。大学生ではなく中高生相手ならなおさらです。

また、学生同士でもLINEグループでのイジメに見られるように、しっかりと規律を持っていないと問題が発生しかねません。

学生は勝手にグループを作れないように設定する、ダイレクトメッセージは送らない、など何らかのルールは決めておくべきでしょう。

他のデメリットは、あまりないと思われます。今の学生であればチャットは使い慣れているので、導入にもさほど障害はないでしょう。

まとめ

以上、教職員間と教職員・学生間で分けて、チャットツール導入のメリット・デメリットを考えてみました。

総じて、教職員間でのチャットツールの導入にはメリットと同じくらいデメリットもありそうです。組織の体質やトップの考え方に大きく拠るところだと思うので、チャットツールの導入は慎重に考えたほうがよいでしょう。小規模な私立大学などなら、やりやすいかもしれません。

逆に教職員・学生間でのチャットツール導入は教育上のメリットがありそうです。セクハラ、アカハラ、いじめなど情緒的な問題さえ防げそうであれば、導入を積極的に検討すべきと思われます。特にビジネス向けチャットツールを使いこなすスキルは、就職後も活かすことができます。スキル教育の意味でも、利用を考えてみてもよいでしょう。

2017年1月19日木曜日

[Excel]VLOOKUPでちょっとした自動化・効率化

Excel地獄の大学

大学の事務処理にはとにかくExcelが付き物です。Excelファイルがメール添付で送られてきて「これに入力して提出してください」・・・これがよくあるパターンではないでしょうか?

何でもかんでもExcelで書類を作らなければならない環境のことを「Excel地獄」と言います。ここでは、JASSO留学支援奨学金のネ申エクセル問題についてに書いたような仕事が発生します。

地獄にあっても、仕事は仕事。好むと好まざるに関わらず、送付されたExcelファイルを使って作業しなければなりません。そんな時に役に立ちそうなのが、VLOOKUPという関数です。

VLOOKUP関数とは

VLOOKUP関数は、 ある表からデータを検索して引っ張ってきてくれる関数 、のことです。
= VLOOKUP (検索する値, 値を検索する範囲, 戻り値を含む範囲の列の番号, 完全一致か近似一致か - 0/FALSE か 1/TRUE で指定)
SUMのような単純な関数に比べると、ちょっと長いです。が、一度使い方を覚えると、非常に便利です。

VLOOKUP関数の使い方はいろいろな所で解説されているので、覚えましょう。



どんな時に使えるか

上にリンクを貼った解説は、企業で使うことを想定されているので、例が請求書とか在庫一覧とかです。

では、大学業務ではどういったことに使えるのでしょうか。例を2つ見ましょう。

例その1:あるテンプレートで、氏名、所属等が入った書類を大量に作る時

あるエクセル申請書に、学生(あるいは教職員)数十名ぶんの氏名や所属を記載した書類を作らなければいけないとき。

もしWordであれば差し込み印刷機能を使えば簡単にできます(参照:[Word]差し込み印刷機能で修了証を作ろう)しかし、Excelではこれができません。

Excelでは差し込み印刷機能の代わりに、VLOOKUPを使えばできます。
  1. 申請書類とは別のシートに氏名・所属のリストを作ります。この時に、一番左の列に、1番から連番で番号をふります。
  2. 申請書類シートの印刷範囲以外のセルに半角で「1」を入力します。
  3. 申請書類シートの氏名・所属を流し込むセルにVLOOKUPの式を入れます。この時に、「検索する値」としては「2」で数字を入れたセルを指定します。式の例はこんな感じになります。
  4. =VLOOKUP(AN1,氏名リスト!$A$2:$D$100,3)
  5. 「2」で入力した数字を2,3,4,5と入れていくと、氏名・所属が「1」で作成したリストの順に変わっていくはずです。
スクリーンショットがなくてすみません。時間ができたら、スクリーンショットつきで詳しく解説します。

例その2:日本語表記を英語表記に置き換えたい時

例えば、交換留学生のリストがあったとします。これは例ですが、実際は大量にデータがあるとします。
氏名 所属大学名
John Lemon マサチューセッツ観光大学
Maria Yulievna ロシア国立研究大学
Azat Kashimov チュイ州立大学
この日本語表記を英語表記に一括で置き換えたい時、どうしますか?
もし大学名の日本語・英語表記対照リストがあれば、VLOOKUPを使って簡単に置き換えられます。
  1. 別のシートに大学名の日本語・英語表記対照リストを貼り付ける。この時、日本語大学名を一番左の列に入れる。
  2. 一番右の列に、VLOOKUPの式を入れる。この時、「検索する値」には左の列(所属大学名)を指定する。式はこんな感じになるはず。
  3. =VLOOKUP(B2,大学名リスト!$A$2:$D$100,2)
  4. VLOOKUPの式を一番下までドラッグしてコピーする。すると、英語表記が一番右の列に自動入力されるはず。
  5. 日本語の所属大学名の列を消せば完了。

まとめ

VLOOKUPの便利さを分かっていただけたでしょうか。

例1では数字をキーにしてリストを検索しましたが、例2では文字をキーにしてリストをしました。数字でも文字でもどちらでもいいのですが、とにかく「固有の情報」と「リスト」があれば、いちいち手作業しなくても自動で情報入力ができるのです。

使用機会はそれほど多くないと思いますが「こういう関数がある」と覚えておけば、いざという時に2、3時間ぶんを一気に短縮できると思います。

2017年1月17日火曜日

DropboxからOneDriveへの移行を考えてみた結果・・・


職場(大学)の部署では現在Dropboxを使っているのですが、職場全体ではMicrosoftのOneDrive for businessを契約しているので、移行を検討してみました。

OneDriveは、職場で導入されているとはいえ、別のファイル共有システムも稼働しており、あまりOneDriveを使っているひとは少ないようです。とはいえ、部署で使用料を払ってDropboxを使うより、OneDriveを利用したほうがコスト削減、セキュリティの面で良いのは確かです。そこで、DropboxとOneDriveへの移行を真剣に検討してみました。

現状(Dropbox利用)について

Dropboxは、言わずと知れたクラウドでファイル共有できるサービスです。
現在は、DropboxのProプラン(月額1,000円)を1ユーザー ぶん、契約しています。そして、そのアカウントを複数台のPCで利用しています。規約違反ではありませんが、数名でパスワードを共有しているので、あまり褒められたことではありません。

Dropboxのプランについてはこちら。
https://www.dropbox.com/business

移行先(OneDrive)について

移行先候補のOneDriveは、Microsoftが提供するファイル共有サービスです。昔はSkyDriveという名前でした。

私の大学ではOffice365 for Educationを契約しており、その機能の1つとしてOneDrive for Businessを利用できます。

普通のOneDriveとOneDrive for Businessの違いは、公式ページのQAには次のように書かれています。
OneDrive は、Microsoft アカウントまたは Outlook.com で設定できるオンライン個人用記憶域です。OneDrive を使って、ドキュメント、写真、その他のファイルをクラウドに保存したり、友人と共有したり、コンテンツで共同作業を行うこともできます。どのように使うかは自由に決められます。
OneDrive for Business は、業務用のオンライン記憶域です。OneDrive for Business は組織によって管理され、同僚と作業ドキュメントの共有や共同作業を行うことができます。組織のサイト コレクション管理者がライブラリの使い方を管理します。
うーん、これだけ見ると、機能面であまり大きな違いはないように見えます。
しかし実際は、Office365の様々な機能との連携がはかられており、操作感は似ているものの、できることはだいぶ違います。この説明の分かりづらさはさすがMicrosoft。
ともかく、ここでは個人用ではなく企業用のOneDrive for Businessへの移行を検討します。以下ではOneDrive for Businessを単にOneDriveと記載します。

DropboxとOneDriveの機能比較

さて、ここからが本題です。DropboxとOneDriveには、どのような機能差があるのでしょうか。

まずは、ファイル共有サービスに必要そうな機能について比較表を作ってみました。価格については比較していません。
機能 Dropbox Pro OneDrive for Business
容量上限(ユーザーあたり) 1TB 1TB
iOSアプリ
Androidアプリ
ファイルの復元
ファイルの履歴管理
権限管理
パスワードつき共有 ×
有効期限つき共有 ×
フォルダ選択同期
他サービスとの連携
この表の通り、どちらも基本的な機能はそろっていますが、Dropboxの方かゆいところに手が届いています。Dropboxは非Dropboxユーザーにファイルを共有する時、パスワードをつけたり、ダウンロードの有効期限を設定できたりします。OneDriveはそこまで細かい設定はできません。

続いて、比較表では説明できないDropbox、OneDriveそれぞれの特徴を比較します。

Dropboxの特徴

ファイルリクエスト機能

Dropboxには、ファイル共有の基本機能以外に、便利な機能がいろいろあります。その1つがファイルリクエスト機能。これは、Dropboxユーザーではない人からも簡単にファイルを回収できる機能です。これについては別途記事「Dropboxのファイルリクエスト機能が地味に便利だった」を書いたので、ご覧ください。

その他独自機能が豊富

Dropboxではファイルリクエスト機能のほか、チーム、写真アルバム、Paperなど、便利な機能がたくさんあります。ただし、その多くは他のウェブサービスで代替できるもの(あるいは他のサービスの方がより使いやすいもの)も多いです。例えば、ウェブブラウザ上でファイルを直接編集できるPaper機能は、まだまだGoogle DriveやOffice365の方が優れていると思います。

同期のスピードが速い

いろいろなブログで言及されるように、Dropboxは、OneDriveに比べて同期(ダウンロード、アップロード)の速度が速いようです。OneDriveは、クラウドストレージの中では速度が遅い方のようです。 主要オンラインストレージの速度比較

OneDriveの特徴

Office365との連携が多機能

OneDrive最大の特徴はこれです。Office365のいちサービスという位置づけなので、他のOffice365サービス(Sharepoint、Word、Excel、Powerpointなど)との連携がしやすくなっています。ブラウザのOneDriveでWordファイルを開くと、Office365のWord Onlineを使ってブラウザ上で直接編集ができます。その再現度も、やはり本家だけあって他のGoogle Driveなどよりも優れています。

職場公認、そしてMicrosoftという安心(?)

Office365を導入している場合、OneDriveは職場公認のツールとなるでしょう。大きな組織は、勝手に非公認のクラウドサービスを使うことを嫌う場合(または認めない場合)があります。また、企業としてのMicrosoftはDropboxよりも知名度が高いので、一般的な安心度で言えば高いでしょう。

まとめ:OneDriveへ移行するか?

結論としては、OneDriveへ移行する方針で考えています。
DropboxとOneDriveを比較すると、クラウドストレージとしての性能や使い勝手はDropboxの方が優れている、と思います。ただし、OneDriveも決して使いづらい訳ではなく、Office365の連携など優れた点も多々あります。MicrosoftはOffice365の強化に力を入れているので、今後の機能改善も期待できます。組織全体でOffice365を導入している場合はOneDriveを利用するのが、総合的に見れば良いのではないでしょうか。
というわけで、Dropboxに名残惜しさはありつつも、OneDriveへの移行計画を立てようと思っています。

▼Dropbox、OneDriveの入門書 ▼

2017年1月5日木曜日

[Word]差し込み印刷機能で修了証を作ろう

事務仕事やレポート・論文作成などに欠かせないOfficeソフトのWord。Wordにある「差し込み印刷」という機能は、レポート作成程度だと使う機会がないため、知らない人が意外と多いようです。

先日、この機能を大学で働く同僚に教えてみたところ、いたく感動していました。今回はそれほど便利な「差し込み印刷」機能について紹介します。

「差し込み印刷」機能とは

「差し込み印刷」という言葉からは、機能がなかなか想像できないと思います。この機能は、簡単に言うと「ひな形の文書に、リストの情報を”差し込んで”いく機能」です。

分かりやすいのは、宛名印刷です。住所、部署名、肩書き、氏名…などの情報が書かれた宛先リストがあれば、そこから宛名シールやハガキのひな形へ情報を流し込んでくれます。ひな形が1つあれば事足りるため、わざわざ1つ1つファイルを作成したり、データから手動でコピペする必要はありません。

これを大学事務で使うとすれば、次の場面が考えられます。

通知文書の作成

大学事務は、嫌になる程、何でも書類を作成します。おそらく官公庁や一部の大企業も同様でしょう。原義書、委嘱状、承諾書、等々。内容は同じで、上部の宛名だけ変える、といったパターンの時に、差し込み印刷機能は活躍します。

ネームプレートの作成

シンポジウムなどを開催する際、参加者の名札や席札を作る場合があるでしょう。その時にも使えます。参加者が多い時は、1つ1つ手打ちで作るのは面倒ですよね。そうした大規模なイベントの時には、どのみち参加者リストくらい作っているはずですから、それを元にひな形に流し込んで 作成ができます。

修了証の作成

大学では様々な教育プログラム、学術会議などがあり、参加者に修了証や参加証(Certificate)を手渡すことが多いです。賞状のような厚紙にプリントして渡します。その時にも、氏名のリストとひな形があれば、簡単に全員分を印刷できます。

使い方

それでは実際に差し込み印刷機能を使ってみましょう。
今回は、「修了証」を作ってみます。氏名の部分が、リストから「差し込む」部分です。

ひな形を準備する

Word2016では、新規作成の際にテンプレートを検索できます。「修了証」と検索すると、このファイルを使うことができます。もしくは、こちらからダウンロードしてください。


リストを準備する

氏名と大学名のリストを作成します。 Excelファイルで1列作成し、一行めに「表彰者氏名」と入力してください。 そして、1行ずつ名前を入力していきます。

差し込み印刷ウィザードを開始

メニューに「差し込み印刷」のタブがあるはずです。そこから「差し込み印刷の開始」>「差し込み印刷ウィザード」を選択しましょう。 「差し込み印刷」タブがない場合は、「ツール」メニューの中を探しましょう(Mac版Word2011はこれです)。


画面右側に「差し込み印刷ウィザード」が表示されるので、あとはこの指示にしたがっていきます。

文書の種類を選択

最初のウィザードでは、「レター」を選択して「次へ」。

ひな形の選択

まずはひな形の選択をします。「現在の文書を使用」を選択し「次へ」。

宛先の選択

文書に「差し込む」リストを選択します。ここでは「既存のリストを使用」にチェックし、その下「参照」をクリックしてください。ファイル選択の画面が出てくるので、先ほど作成したExcelファイルを開きます。

Excelファイルを開くと「テーブルの選択」というポップアップが表示されます。リストを記載したシートを選択して「OK」を押します。


続いてこのポップアップが表示されます。「このリストを流し込みますよ」という確認です。いろんな設定は一旦気にせずに「OK」を押しましょう。

これでリストの設定ができました。「次へ」を押しましょう。

レターの作成

ここで、文書のどこに氏名を流し込むか、設定します。氏名を差し込みたい[表彰者名]の文字を消して、カーソルを合わせましょう。

こんな感じです。カーソルを置けたら「差し込みフィールドの挿入」をクリックします。


こんなポップが出てきます。「表彰者名」を選択して「挿入」を押します。

すると <<表彰者名>>という文字列が挿入されます。ちなみに氏名以外(大学名、氏名の英語表記、役職、等々)をリストに設定した場合、複数の項目をいろいろな場所に挿入することができます。設定できたら「次へ」を押します。


レターのプレビュー表示

レターの1行目に設定した名前が表示されました。右上の ▶︎を押すと、リストの次の情報へ移ります。これであとは印刷するなり、保存するなりできます。

まとめ

普通の文書作成とは手順が違い複雑に感じますが、一度やってみるとその便利さに納得するはずです。同じフォーマットで大量の書類を作成するときに、ぜひこの機能を思い出して使ってみましょう。

2016年12月27日火曜日

JASSO留学支援奨学金のネ申エクセル問題について

自民党の河野太郎議員が、科研費の申請書などで使われている、非常に扱いづらく煩雑なエクセルファイル、通称「ネ申エクセル(または神エクセル、以下「神エクセル」)」を廃止するよう提言したことが話題となっています。

データとして役立たない「神エクセル」問題に解決の兆し 河野太郎議員が文科省へ全廃を指示

これに似た問題が、JASSO(日本学生支援機構)留学支援奨学金関係の神エクセル問題です。すでにどなたかが問題提起されているかもしれませんが、大学で国際交流に携わっている私からも、問題提起させてください。

※ネ申(神)Excelについては三重大学の奥村先生が書かれた論文に詳しいので、そちらを参照してください:「ネ申Excel」問題

JASSO留学支援奨学金とは

JASSO(日本学生支援機構)は、経済的に支援が必要な学生を対象に奨学金を提供している独立行政法人です。JASSOの奨学金は返済が必要であり、実質は学生ローン。奨学金の返済ができずに破産する例が相次ぐなど社会問題となり、平成29年度からは返済不要の奨学金が始まります。

実はこのJASSO、通常の奨学金の他に、海外留学をする学生、また海外から日本へ受け入れる学生に対して返済不要の奨学金も支給しています。今回取り上げたいのは、大学間協定に基づく交換留学を支援する奨学金にまつわる書類についてです。

JASSOが提供する神Excelについて

まずは、日本人学生の海外留学を支援する、JASSO(日本学生支援機構)協定派遣のページをご覧ください。

http://www.jasso.go.jp/ryugaku/tantosha/study_a/short_term_h/2016.html

平成28年度海外留学支援制度(協定派遣)事務手続きについて>「1.事務手続きの手引き・様式等」のところに、大学の海外派遣担当者が提出しなければいけない書類が掲載されています。

ぜひ、1つ1つ、Excelファイルをダウンロードして中身を見てみてください。

例えば、平成28年度海外留学支援制度(協定派遣)登録データ
留学期間を数値で入力すると、右の 月別に別れた列に、自動で ○ が入力されていきます。高機能です。「開始月と終了月の合算日数(BF)」列が閏年で計算される不具合」があったようですが、つい先日、修正されたようです。


・・・めまいがしてきませんか?

この他にも、提出すべきExcelファイルは盛りだくさんです。非常に神々しいExcelファイルの数々です。あまりの煩雑さに、毎年、毎月、留学担当者たちは悲鳴をあげているのです。しかも様式が年度によって変わったりするのがまた大変で・・・。

職員だけでなく、学生も大変です。奨学金を受給した学生は、受給期間終了後にいくつかの書類を出す必要がありますが、そのうちの一つがこれ:平成28年度海外留学支援制度(協定派遣)報告書関係様式(様式G~J) 。「様式H-3」というシートをご覧ください。Excelで、横にずーーーっと続くアンケートに回答しなければいけません。小さな正方形の中に回答を入力しないといけないのです。学生はお金をもらっている側なので、文句は言えません。粛々と回答して提出してくれます。


これを提出されて集計する方のJASSO職員の方々も、おそらく相当な苦労をされているはずです。ちなみに大学からJASSOへの提出は、一部は紙で、一部はExcelで、となっているみたいです。

その背景について推測

なぜこのような 神エクセルが誕生してしまったのか。私はJASSO内部の者ではないので、その背景は分かりませんが、推測はできます。

JASSOの留学支援奨学金は、借り手からの返済で成り立っている通常の奨学金と違い、国の予算から直接支出されているものです。なので、きちんと目的に適った利用がされているという証拠を残さねいけません。よって、誰に対して奨学金が支給され、どのような効果があって、という情報を、できるだけ細かく蓄積しておかないとならないのでしょう。

しかし、このような煩雑な書類作成ばかり求められるとなると、大学ではそれなりの数の事務スタッフが必要ですし、JASSOでもスタッフが必要となります。その人件費や、掛けられている膨大な時間をもっと有意義なことに使えるのではと思います。

解決策は?

エクセルを廃止して全てをウェブシステム化…というのが理想かもしれませんが、システム化にはデメリットがつきものです。下手なシステムを作ってしまうと、エクセルよりも作業が煩雑になってしまい、かつ莫大な制作コスト、運用コストがかかります。まずは現状の運用方式での簡素化・合理化、業務フローの見直し、一部のシステム化などから始めてもよいのではと思います。

私は末端のいち担当者なので何の力もありませんが、とにかく、ここにも「 神エクセル問題」があることを知っていただけたら幸いです。

2016年12月20日火曜日

ショートカットキーを使うと人生が変わる・・・かも

「ショートカットキー」なるものを、どこかで聞いたことはあると思います。パソコン操作の「切り取り」や「貼り付け」を、マウスの右クリックではなくキーボード操作だけで行うことです。

聞いたことはあるけど、覚えるのが面倒でやっていない、という人が多いのではないでしょうか。

しかし、ショートカットキーを使うのと使わないのとでは、パソコン作業の効率性が大きく変わると言われています。

ショートカットキーの効率性

ショートカットキーを使うと、パソコン操作の効率性は上がります。

少し古いですが、2005年のある論文では、Wordの操作(コピー、ペースト、開く、保存など)を1.メニューから選択、2.アイコン操作、3.ショートカットキー利用の3タイプで被験者の反応速度を比較したところ、ショートカットキーを利用した方が効率が良いという結論が出されています。

Hidden Costs of Graphical User Interfaces: Failure to Make the Transition from Menus and Icon Toolbars to Keyboard Shortcuts (2005) by Lane, Napier, Peres and Sándor

ネット上の記事、ブログでもショートカットキーの重要性は盛んに言及されています。ショートカットキーの書籍もいろいろ出ています。

どんなショートカットキーがあるのか

ショートカットキーは膨大な量があります。Windows、MacなどOSそのもののショートカットキーがあれば、それぞれのソフトに独自のショートカットキーが大量にあります。

それら全てを使いこなすのは非常に大変ですが、まずはよく使うものから覚えましょう。

ここでは、文書作成ソフトやメールソフトでよく使う、5つのショートカットキーを紹介します。いずれも「Ctrl(コントロール)」を押しながら、アルファベットのキーを押します。Macの場合はCtrlをCommandに代えれば使えます。

  1. コピー 「Ctrl」+「C」
  2. ペースト(貼り付け)「Ctrl」+「V」
  3. 切り取り「Ctrl」+「X」
  4. 元に戻す「Ctrl」+「Z」
  5. 保存「Ctrl」+「S」

1〜5まで、どの操作も頻繁に使いますよね。その時に、1回1回、キーボードからマウスに手を動かして右クリックして・・・だと、効率が悪いです。

また5「保存」のショートカットキーを覚えて、変更を加えたらすぐに保存する癖をつけましょう。頻繁に保存をすることで、「せっかくファイル作ったのにデータが消えた!!」といったうっかりを防げます。

他にもショートカットキーは大量にあります。気になる人は下記のサイトを見ましょう。
仕事の効率がUPする【Windows】基本ショートカットキー40選

ショートカットキーの覚え方

ショートカットキーに慣れていない人は、キーの組み合わせを覚えるのが大変かもしれないです。

私のオススメは、ショートカットキーを ゲームのコマンドと思って覚えること です。ゲームにはまったことがある人なら、格闘ゲームで技を繰り出すコマンドや、裏技のためのコマンドを覚えたと思います。私もパワプロという野球ゲームで、上上下下左右左右スタートという裏技コマンドを覚えて何度も繰り返していました。

要は、仕事をゲームだと思えばいいのです

ショートカットキーを、いまのステージを早くクリアするために必要な技、そのためのコマンドと思えば覚えられませんか?

ショートカットキーがうまく使えたら「よっしゃ、技が決まったwww」と内心で喜びましょう。

まとめ

これほど重要なショートカットキーですが、義務教育の情報の時間には習った記憶がありません。私自身は、なぜか大学1年の英語の授業でショートカットキーの話題が出て、そこではじめてショートカットキーの便利さ、重要性に気づきました。

新入社員向けの研修などでショートカットキーが教えられるかもしれませんが、そんなまともに研修を行っているところばかりではないと思います。

学生の間に、レポートや論文を書く機会にショートカットキーを身につけておいたほうがよいです。

2016年11月29日火曜日

一瞬で大量の情報取得!スクレイピングサービスimport.ioを使ってみる

スクレイピングとは

スクレイピングは、聞きなれない言葉だと思います。スクレイピングとは、
Webスクレイピングとは、WebサイトからWebページのHTMLデータを収集して、特定のデータを抽出、整形し直すことである。
という意味です(IT用語辞典)。HTMLはウェブサイトを作る言語のことですが、そのHTMLを分析してページの構造を把握し、データを機械的に抽出するという仕組みです。

スクレイピングをやってみる

それでは、スクレイピングでどんなことができるのか、試してみましょう。日本の外務省のプレスリリースを一括で取得することを目標とします。

外務省プレスリリース:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/index.html

ではその手順です。

import.io(https://www.import.io)にアクセスします。登録は無料です。FacebookやGoogleアカウントがあれば、すぐにログインできます。


この画面で、New Extractorを押して、新しいプロセスを作成します。


こんなポップアップが出てくるので、外務省プレスリリースのURLをコピーペーストしましょう。そしてGo。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/index.html



数秒待つと、このような画面が出てきます。データ解析が正常にできたということです。右上のDoneを押しましょう。


こんな画面になります。これで外務省のプレスリリースを取得するというプロセスは設定できました。真ん中あたりのRun URLsを押すと、最新のプレスリリース情報を取得しに行きます。


情報を取得できたら、CSVでダウンロードできます。CSVはExcelで開けますが、日本語だと文字化けするかもしれません。Open Officeというソフトを使うと、文字化けは防げます。


「なんだこれだけか」と思うかもしれませんが、さらにいろいろできます。指定できるURLは1つではありません。例えば、このようにURLを複数指定すれば、数ヶ月分のプレスリリース情報を一括で取得できるのです。


また有料版($249/月〜)にすると、プロセスを動かすスケジュールを設定することができます。例えば、外務省のプレスリリースを毎日自動で取得する、ということもできます。

注意点

  • プログラムによるアクセスがブロックされて、スクレイピングができないサイトもあります。
  • スクレイピングで取得した情報を利用・公開する時には著作権等に注意する必要があります。
  • import.io無料版では、情報取得の回数が1月500回までに制限されています。

他の活用方法

今回は「外務省のプレスリリースを取得する」という例を実行しましたが、他にも次のような活用方法が考えられます。
  • オンライン書店であるキーワードに関する書籍の一覧を取得する。
  • ニュースサイトで毎日ニュースの一覧を取得する。
  • 求人情報を定期的に収集する。
  • あるページのサムネイル画像だけを取得する(アイドルのファンなんかは活用できそう・・・)。
単にニュースをチェックするだけなら、ページをお気に入りにいれて見るか、RSSフィードなどを活用すればよいです。 ただ、定期的に大量の情報を忘れずに取得したい、CSVデータにして分析したい、というような場合には、こういったスクレイピングツールを活用すると、収集が捗るでしょう。

今すぐに使わなくても、スクレイピングというキーワードは覚えておいて損はないです。
import.io以外のスクレイピングサービスについては、こちらの記事を参照してください。
誰でも簡単!Webページ情報を自動でデータ化できるスクレイピングツール5選