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2017年10月5日木曜日

Access App廃止でPowerAppsに一本化:2つの違いは?

Access Web Appとは?

Accessとは、Microsoftが提供しているデータベースアプリケーション作成ソフトです。Access Web App(以下、Access App)は、普通はデスクトップ(ローカル)で使われるAccessを、クラウドサービスのOffice365で利用できるようにしたサービスです。

普通のAccessは、基本的にローカルのパソコンで使うアプリケショーンのため、サーバー上で様々なパソコンやモバイルデバイスから利用するには厄介な仕様でした。それがAccess Appでは、はじめからクラウド上に簡単に設置できるようになりました。できること、機能は通常のAccessには劣りますが、クラウド化に合わせた進化と思われました。

しかし、そのAccess Appは、2018年4月をもってサービス停止が発表されました。そしてMicrosoftの提供するクラウドで使えるデータベースアプリケーションは、PowerAppsに一本化されることになりました。

Updating the Access Services in SharePoint Roadmap

PowerAppsとは?

PowerAppsについては、別の記事を書いています(業務用モバイルアプリが数分で作れるMicrosoftのPowerAppsを使ってみた)。PowerAppsとは、この記事で紹介しているように「モバイルアプリをプログラミングなしでさくっと作れてしまう」ウェブサービスです。モバイルアプリでは様々なデータベースに接続できるため、データベースアプリケーションの一種と言えます。

Microsoftは「マイクロソフトでは、多くのお客様が Access のカスタム Web アプリをご利用になっていることを認識しており、PowerApps への移行をできるだけスムーズに実施できるように努めています。」としています。しかしAccessとPowerAppsには、その設計思想や適正、特性に大きな違いがあり、そのまま置き換えることは容易ではないと思われます。それを次にまとめます。

Access AppとPowerAppsの違い

Access AppとPowerAppsを両方とも使って簡単なアプリを作った経験から、2つの違いをまとめてみます。

1. PCファーストとモバイルファースト

Access Appは基本的にPCのウェブブラウザで使うことをターゲットにしたアプリケーションでした。対してPowerAppsは、完全にモバイルファーストです。2つのアプリの画面を比べてみましょう。

まず、こちらがAccess App(ビデオ: Access Web アプリを作成する - Access - Office Supportからの引用)。



次に、こちらがPowerApps。


見た目からしてもPowerAppsがモバイル向けだとわかると思います。またPowerAppsにはAndroid、iOSアプリがあり、スマートフォン、タブレット上で動作させることができます。

一方でPC上でも動かすことはできますが、表示はスマートフォン、タブレットと同様で、PCの画面上、しかもマウスだと正直操作しづらいです。PCでの利用であればAccess Appの方が上でした。

2. データソース

Access Appでは、データソースは1つだけ、つまりAccess専用のデータベースしか使えませんでした。一方のPowerAppsは、様々な外部データベースと接続して利用ができます。SharePointリスト、SQLサーバー、Salesforce、さらにはDropboxやOneDriveに保存されたExcelシートまでデータソースとして使えます。

これにより、様々なデータソースと柔軟に組み合わせたアプリケーションを作れます。その点はPowerAppsの一番面白いところだと思います。Accessでアプリを作るには、「データベースとは何たるか」を多少はかじってないといけませんでした。ところがPowerAppsでは、Excelでリストさえ作れば、3分でアプリケーションができてしまうのです。

3. Office365内での連携

Access AppもOffice365で使うようになってましたが、あくまでAccessは個別の機能で、他のOffice365アプリとの連携はほぼありませんでした。PowerAppsはOffice365の中にしっかりと組み込まれ、様々なアプリと連携できます。

例えばFlow。Flowは、ワークフローを自動化「ハブサービス」の未来は?で紹介したZapier、IFTTTのような、ハブサービスです。これを使えば、PowerAppsと様々な外部アプリと連携して、「PowerAppsでSharePointリストにデータを追加したら、その内容をメールで○○へ送る」といった自動ワークフローを作成できます。

違う例ではTeams。Teamsはチャットコミュニケーションのアプリですが、これに「タブ」という機能があります。チャネル(チャットグループのこと)に関連するアプリやファイルをタブにして埋め込めるという機能です。このタブに、PowerAppsアプリを埋め込めます。なので、チームでよく使うアプリにはすぐにアクセスできます(ただし、タブを切り替えるために再読み込みするので、若干イライラする)。

こんな風に、最初からOffice365での連携を前提に作られているのがPowerAppsです。

その他

この他にもAccess AppとPowerAppsには多くの違いがあるので、詳しいところは実際に使ってみるか、MicrosoftがAccess Appの開発者向けに作成したホワイトペーパーを参照してください。

Introduction to Microsoft PowerApps for Access web apps developers

PowerAppsは本当に使えるのか?

前回の記事でも問いましたが、PowerAppsは本当に「使える」のか?という疑問は、依然としてあります。

確かに面白い機能はいっぱいあり、ものの数分でモバイルアプリが作れる(しかもExcelをデータベース代わりにして…笑)のは驚きです。

しかし、だがしかし・・・動作が若干もっさりとしていることと、PCで扱いづらいこと、この2つが特にひっかかり、本当に「使える」サービスなのかどうか、微妙なところだと思います。少なくとも、AccessやAccess Appの置き換えにはならないでしょう。

モバイルで活用したく、またOffice365内での連携が不要であれば、Kintoneなどを使ってもいい気がします。Kintoneも、データベースアプリケーションを手軽に作れるサービスで、日本のサイボウズという会社が提供しています。

PowerAppsについてはまだ日本語情報が少なく、そのためか当ブログにもPowerAppsを調べて来る人がそれなりにいるようです。いまはまだ難ありですが、PowerAppsの今後の発展には期待したいところです。今後も動向を追ったり、サンプルアプリを作ったりしてみようと思います。

PowerAppsの入門書もぼちぼち登場しています。


【更新(2018.4.29)】サンプルアプリを紹介しています:
PowerAppsで作るアプリ例 (1):学生情報検索アプリ

2017年1月19日木曜日

[Excel]VLOOKUPでちょっとした自動化・効率化

Excel地獄の大学

大学の事務処理にはとにかくExcelが付き物です。Excelファイルがメール添付で送られてきて「これに入力して提出してください」・・・これがよくあるパターンではないでしょうか?

何でもかんでもExcelで書類を作らなければならない環境のことを「Excel地獄」と言います。ここでは、JASSO留学支援奨学金のネ申エクセル問題についてに書いたような仕事が発生します。

地獄にあっても、仕事は仕事。好むと好まざるに関わらず、送付されたExcelファイルを使って作業しなければなりません。そんな時に役に立ちそうなのが、VLOOKUPという関数です。

VLOOKUP関数とは

VLOOKUP関数は、 ある表からデータを検索して引っ張ってきてくれる関数 、のことです。
= VLOOKUP (検索する値, 値を検索する範囲, 戻り値を含む範囲の列の番号, 完全一致か近似一致か - 0/FALSE か 1/TRUE で指定)
SUMのような単純な関数に比べると、ちょっと長いです。が、一度使い方を覚えると、非常に便利です。

VLOOKUP関数の使い方はいろいろな所で解説されているので、覚えましょう。



どんな時に使えるか

上にリンクを貼った解説は、企業で使うことを想定されているので、例が請求書とか在庫一覧とかです。

では、大学業務ではどういったことに使えるのでしょうか。例を2つ見ましょう。

例その1:あるテンプレートで、氏名、所属等が入った書類を大量に作る時

あるエクセル申請書に、学生(あるいは教職員)数十名ぶんの氏名や所属を記載した書類を作らなければいけないとき。

もしWordであれば差し込み印刷機能を使えば簡単にできます(参照:[Word]差し込み印刷機能で修了証を作ろう)しかし、Excelではこれができません。

Excelでは差し込み印刷機能の代わりに、VLOOKUPを使えばできます。
  1. 申請書類とは別のシートに氏名・所属のリストを作ります。この時に、一番左の列に、1番から連番で番号をふります。
  2. 申請書類シートの印刷範囲以外のセルに半角で「1」を入力します。
  3. 申請書類シートの氏名・所属を流し込むセルにVLOOKUPの式を入れます。この時に、「検索する値」としては「2」で数字を入れたセルを指定します。式の例はこんな感じになります。
  4. =VLOOKUP(AN1,氏名リスト!$A$2:$D$100,3)
  5. 「2」で入力した数字を2,3,4,5と入れていくと、氏名・所属が「1」で作成したリストの順に変わっていくはずです。
スクリーンショットがなくてすみません。時間ができたら、スクリーンショットつきで詳しく解説します。

例その2:日本語表記を英語表記に置き換えたい時

例えば、交換留学生のリストがあったとします。これは例ですが、実際は大量にデータがあるとします。
氏名 所属大学名
John Lemon マサチューセッツ観光大学
Maria Yulievna ロシア国立研究大学
Azat Kashimov チュイ州立大学
この日本語表記を英語表記に一括で置き換えたい時、どうしますか?
もし大学名の日本語・英語表記対照リストがあれば、VLOOKUPを使って簡単に置き換えられます。
  1. 別のシートに大学名の日本語・英語表記対照リストを貼り付ける。この時、日本語大学名を一番左の列に入れる。
  2. 一番右の列に、VLOOKUPの式を入れる。この時、「検索する値」には左の列(所属大学名)を指定する。式はこんな感じになるはず。
  3. =VLOOKUP(B2,大学名リスト!$A$2:$D$100,2)
  4. VLOOKUPの式を一番下までドラッグしてコピーする。すると、英語表記が一番右の列に自動入力されるはず。
  5. 日本語の所属大学名の列を消せば完了。

まとめ

VLOOKUPの便利さを分かっていただけたでしょうか。

例1では数字をキーにしてリストを検索しましたが、例2では文字をキーにしてリストをしました。数字でも文字でもどちらでもいいのですが、とにかく「固有の情報」と「リスト」があれば、いちいち手作業しなくても自動で情報入力ができるのです。

使用機会はそれほど多くないと思いますが「こういう関数がある」と覚えておけば、いざという時に2、3時間ぶんを一気に短縮できると思います。

2017年1月17日火曜日

DropboxからOneDriveへの移行を考えてみた結果・・・


職場(大学)の部署では現在Dropboxを使っているのですが、職場全体ではMicrosoftのOneDrive for businessを契約しているので、移行を検討してみました。

OneDriveは、職場で導入されているとはいえ、別のファイル共有システムも稼働しており、あまりOneDriveを使っているひとは少ないようです。とはいえ、部署で使用料を払ってDropboxを使うより、OneDriveを利用したほうがコスト削減、セキュリティの面で良いのは確かです。そこで、DropboxとOneDriveへの移行を真剣に検討してみました。

現状(Dropbox利用)について

Dropboxは、言わずと知れたクラウドでファイル共有できるサービスです。
現在は、DropboxのProプラン(月額1,000円)を1ユーザー ぶん、契約しています。そして、そのアカウントを複数台のPCで利用しています。規約違反ではありませんが、数名でパスワードを共有しているので、あまり褒められたことではありません。

Dropboxのプランについてはこちら。
https://www.dropbox.com/business

移行先(OneDrive)について

移行先候補のOneDriveは、Microsoftが提供するファイル共有サービスです。昔はSkyDriveという名前でした。

私の大学ではOffice365 for Educationを契約しており、その機能の1つとしてOneDrive for Businessを利用できます。

普通のOneDriveとOneDrive for Businessの違いは、公式ページのQAには次のように書かれています。
OneDrive は、Microsoft アカウントまたは Outlook.com で設定できるオンライン個人用記憶域です。OneDrive を使って、ドキュメント、写真、その他のファイルをクラウドに保存したり、友人と共有したり、コンテンツで共同作業を行うこともできます。どのように使うかは自由に決められます。
OneDrive for Business は、業務用のオンライン記憶域です。OneDrive for Business は組織によって管理され、同僚と作業ドキュメントの共有や共同作業を行うことができます。組織のサイト コレクション管理者がライブラリの使い方を管理します。
うーん、これだけ見ると、機能面であまり大きな違いはないように見えます。
しかし実際は、Office365の様々な機能との連携がはかられており、操作感は似ているものの、できることはだいぶ違います。この説明の分かりづらさはさすがMicrosoft。
ともかく、ここでは個人用ではなく企業用のOneDrive for Businessへの移行を検討します。以下ではOneDrive for Businessを単にOneDriveと記載します。

DropboxとOneDriveの機能比較

さて、ここからが本題です。DropboxとOneDriveには、どのような機能差があるのでしょうか。

まずは、ファイル共有サービスに必要そうな機能について比較表を作ってみました。価格については比較していません。
機能 Dropbox Pro OneDrive for Business
容量上限(ユーザーあたり) 1TB 1TB
iOSアプリ
Androidアプリ
ファイルの復元
ファイルの履歴管理
権限管理
パスワードつき共有 ×
有効期限つき共有 ×
フォルダ選択同期
他サービスとの連携
この表の通り、どちらも基本的な機能はそろっていますが、Dropboxの方かゆいところに手が届いています。Dropboxは非Dropboxユーザーにファイルを共有する時、パスワードをつけたり、ダウンロードの有効期限を設定できたりします。OneDriveはそこまで細かい設定はできません。

続いて、比較表では説明できないDropbox、OneDriveそれぞれの特徴を比較します。

Dropboxの特徴

ファイルリクエスト機能

Dropboxには、ファイル共有の基本機能以外に、便利な機能がいろいろあります。その1つがファイルリクエスト機能。これは、Dropboxユーザーではない人からも簡単にファイルを回収できる機能です。これについては別途記事「Dropboxのファイルリクエスト機能が地味に便利だった」を書いたので、ご覧ください。

その他独自機能が豊富

Dropboxではファイルリクエスト機能のほか、チーム、写真アルバム、Paperなど、便利な機能がたくさんあります。ただし、その多くは他のウェブサービスで代替できるもの(あるいは他のサービスの方がより使いやすいもの)も多いです。例えば、ウェブブラウザ上でファイルを直接編集できるPaper機能は、まだまだGoogle DriveやOffice365の方が優れていると思います。

同期のスピードが速い

いろいろなブログで言及されるように、Dropboxは、OneDriveに比べて同期(ダウンロード、アップロード)の速度が速いようです。OneDriveは、クラウドストレージの中では速度が遅い方のようです。 主要オンラインストレージの速度比較

OneDriveの特徴

Office365との連携が多機能

OneDrive最大の特徴はこれです。Office365のいちサービスという位置づけなので、他のOffice365サービス(Sharepoint、Word、Excel、Powerpointなど)との連携がしやすくなっています。ブラウザのOneDriveでWordファイルを開くと、Office365のWord Onlineを使ってブラウザ上で直接編集ができます。その再現度も、やはり本家だけあって他のGoogle Driveなどよりも優れています。

職場公認、そしてMicrosoftという安心(?)

Office365を導入している場合、OneDriveは職場公認のツールとなるでしょう。大きな組織は、勝手に非公認のクラウドサービスを使うことを嫌う場合(または認めない場合)があります。また、企業としてのMicrosoftはDropboxよりも知名度が高いので、一般的な安心度で言えば高いでしょう。

まとめ:OneDriveへ移行するか?

結論としては、OneDriveへ移行する方針で考えています。
DropboxとOneDriveを比較すると、クラウドストレージとしての性能や使い勝手はDropboxの方が優れている、と思います。ただし、OneDriveも決して使いづらい訳ではなく、Office365の連携など優れた点も多々あります。MicrosoftはOffice365の強化に力を入れているので、今後の機能改善も期待できます。組織全体でOffice365を導入している場合はOneDriveを利用するのが、総合的に見れば良いのではないでしょうか。
というわけで、Dropboxに名残惜しさはありつつも、OneDriveへの移行計画を立てようと思っています。

▼Dropbox、OneDriveの入門書 ▼

2017年1月5日木曜日

[Word]差し込み印刷機能で修了証を作ろう

事務仕事やレポート・論文作成などに欠かせないOfficeソフトのWord。Wordにある「差し込み印刷」という機能は、レポート作成程度だと使う機会がないため、知らない人が意外と多いようです。

先日、この機能を大学で働く同僚に教えてみたところ、いたく感動していました。今回はそれほど便利な「差し込み印刷」機能について紹介します。

「差し込み印刷」機能とは

「差し込み印刷」という言葉からは、機能がなかなか想像できないと思います。この機能は、簡単に言うと「ひな形の文書に、リストの情報を”差し込んで”いく機能」です。

分かりやすいのは、宛名印刷です。住所、部署名、肩書き、氏名…などの情報が書かれた宛先リストがあれば、そこから宛名シールやハガキのひな形へ情報を流し込んでくれます。ひな形が1つあれば事足りるため、わざわざ1つ1つファイルを作成したり、データから手動でコピペする必要はありません。

これを大学事務で使うとすれば、次の場面が考えられます。

通知文書の作成

大学事務は、嫌になる程、何でも書類を作成します。おそらく官公庁や一部の大企業も同様でしょう。原義書、委嘱状、承諾書、等々。内容は同じで、上部の宛名だけ変える、といったパターンの時に、差し込み印刷機能は活躍します。

ネームプレートの作成

シンポジウムなどを開催する際、参加者の名札や席札を作る場合があるでしょう。その時にも使えます。参加者が多い時は、1つ1つ手打ちで作るのは面倒ですよね。そうした大規模なイベントの時には、どのみち参加者リストくらい作っているはずですから、それを元にひな形に流し込んで 作成ができます。

修了証の作成

大学では様々な教育プログラム、学術会議などがあり、参加者に修了証や参加証(Certificate)を手渡すことが多いです。賞状のような厚紙にプリントして渡します。その時にも、氏名のリストとひな形があれば、簡単に全員分を印刷できます。

使い方

それでは実際に差し込み印刷機能を使ってみましょう。
今回は、「修了証」を作ってみます。氏名の部分が、リストから「差し込む」部分です。

ひな形を準備する

Word2016では、新規作成の際にテンプレートを検索できます。「修了証」と検索すると、このファイルを使うことができます。もしくは、こちらからダウンロードしてください。


リストを準備する

氏名と大学名のリストを作成します。 Excelファイルで1列作成し、一行めに「表彰者氏名」と入力してください。 そして、1行ずつ名前を入力していきます。

差し込み印刷ウィザードを開始

メニューに「差し込み印刷」のタブがあるはずです。そこから「差し込み印刷の開始」>「差し込み印刷ウィザード」を選択しましょう。 「差し込み印刷」タブがない場合は、「ツール」メニューの中を探しましょう(Mac版Word2011はこれです)。


画面右側に「差し込み印刷ウィザード」が表示されるので、あとはこの指示にしたがっていきます。

文書の種類を選択

最初のウィザードでは、「レター」を選択して「次へ」。

ひな形の選択

まずはひな形の選択をします。「現在の文書を使用」を選択し「次へ」。

宛先の選択

文書に「差し込む」リストを選択します。ここでは「既存のリストを使用」にチェックし、その下「参照」をクリックしてください。ファイル選択の画面が出てくるので、先ほど作成したExcelファイルを開きます。

Excelファイルを開くと「テーブルの選択」というポップアップが表示されます。リストを記載したシートを選択して「OK」を押します。


続いてこのポップアップが表示されます。「このリストを流し込みますよ」という確認です。いろんな設定は一旦気にせずに「OK」を押しましょう。

これでリストの設定ができました。「次へ」を押しましょう。

レターの作成

ここで、文書のどこに氏名を流し込むか、設定します。氏名を差し込みたい[表彰者名]の文字を消して、カーソルを合わせましょう。

こんな感じです。カーソルを置けたら「差し込みフィールドの挿入」をクリックします。


こんなポップが出てきます。「表彰者名」を選択して「挿入」を押します。

すると <<表彰者名>>という文字列が挿入されます。ちなみに氏名以外(大学名、氏名の英語表記、役職、等々)をリストに設定した場合、複数の項目をいろいろな場所に挿入することができます。設定できたら「次へ」を押します。


レターのプレビュー表示

レターの1行目に設定した名前が表示されました。右上の ▶︎を押すと、リストの次の情報へ移ります。これであとは印刷するなり、保存するなりできます。

まとめ

普通の文書作成とは手順が違い複雑に感じますが、一度やってみるとその便利さに納得するはずです。同じフォーマットで大量の書類を作成するときに、ぜひこの機能を思い出して使ってみましょう。

2016年11月18日金曜日

業務用モバイルアプリが数分で作れるMicrosoftのPowerAppsを使ってみた

PowerAppsとは?


2016年11月1日、Microsoftが新たなサービス「PowerApps」を一般公開しました。すでに昨年12月に発表し、プレビュー版が使えていましたが、ついに一般公開されました。
このPowerApps、一言でいうと「モバイルアプリをプログラミングなしでさくっと作れてしまう」サービスです。 特に「業務用」のアプリに特化しています。

これまで、業務でモバイルアプリを使いたい時は、既成のアプリを使うか、莫大なコストを払って制作するしかありませんでした。そして、大抵の場合は前者です。

しかし、既成のアプリだと現場のニーズに合わない、ということも多々、生じます。かといってモバイルアプリを制作するとなると、技術者が必要ですし、外注すれば数百万は吹っ飛びます。

PowerAppsは、そんなジレンマを解消し、現場のニーズに応えて、さくっとモバイルアプリを作れてしまう、一見して魔法のようなサービスです。

使い方は?

いろいろな使い方ができるようですが、ここでは最も簡単な使い方を紹介します。
使う前に、登録が必要です。登録は公式サイトよりお願いします。

1. 接続する

PowerAppsの特徴は、Onedrive、ExcelといったMicrosoftのサービスだけでなく、外部の様々なサービスと連携させられる、という点です。

連携サービスは、Dropbox、Salesforce、GoogleDrive、Facebook、Twitterなど多岐に渡ります。さらに「オンプレミス」、いわば自前のデータベースに接続することもできるようです。

PowerAppsを開くと、左のメニューに「接続」というメニューがあります。そこで、連携させたいサービス、つまりデータソースがある場所を選び、連携させましょう。

2. WebまたはWindowsのPowerAppsでアプリを設計

次に、アプリを作ります。メニュー左下の「新しいアプリ」というボタンをクリックします。



Windowsの場合はダウンロードできるソフトがあり、Web版もあります。Windowsならダウンロードすることをお勧めします。



「新規」の画面から、連携させたいサービスを選び、(必要な場合は)指定するファイルなどデータソースを選びます。例ですが、Onedriveに保存したExcelファイルをデータソースとして指定することができます。



で、この段階で、もう自動でアプリが出来上がっています。この例だと、名前、所属などが項目として記載されたExcelのデータシートをもとに、アプリの画面が自動生成されました。新規作成、編集、検索などの機能がもともと備わっています。


このままでも良ければすぐに使えますし、カスタマイズもできます。
アプリができたら、保存しましょう。

3. PowerAppsアプリで起動する

PowerAppsは、モバイルアプリとして使われます。PCでも使えるのですが、モバイルに最適化されているので、どうも奇妙な感じになります。

タブレットやスマホで使うには、AppstoreやGoogle Playから、PowerAppsのアプリをダウンロードします。

ダウンロードしたアプリを立ち上げてログインすると、作ったアプリが出てきます。

これでもう、モバイルアプリの完成です。オリジナルアプリをホーム画面に設置することもできます。

どんなものが作れるか

ではこのPowerAppsを、どんな場面で使えるのか、私の職場である大学を例に考えてみました。

例1. 連絡先検索

学生や教職員の連絡先は、既存のなんらかのシステムがあるかもしれません。それ以外の、学外の関係者、外注業者などの連絡先も、研究室や部署内で管理したい時があるでしょう。

PCならExcel管理でもいいと思いますが、操作性が悪いですよね。

PowerAppsを使えば、Excelのリストをもとに、ものの数分で連絡先検索のアプリを作れてしまいます。

【更新(2018.4.29)】実際の活用例を書きました:PowerAppsで作るアプリ例 (1):学生情報検索アプリ

例2. 教室予約システム

教室予約ができるアプリは、需要がありそうです。教室の広さ、座席数など基本情報とできれば写真をのせたカタログを作っておき、1クリックで予約ができるようにする。

Microsoft Flowというサービスを組み合わせれば、承認/非承認のフローも効率化できそうです。

巨大な大学だと、どの教室がどんな教室か分からないので、それぞれの担当部署に電話して聞かなければいけません。予約の方法も場所によって違っていて、電話で申請するところ、書類を提出するところ・・・とバラバラだったりします。

ちなみに同じMicrosoftにBookingsという予約管理サービスがあるようです。こっちを使った方が楽な気がします。

例3. 実験のデータ記録送信アプリ

授業での活用法も考えてみました。私は理科系のことはあまり知りませんが、様々な実験データの記録に使えるのではと思います。 アプリ内にカメラ機能も埋め込めるようなので、写真とともにデータを送信するアプリなど、使えそうです。

結局、PowerAppsは「使える」のか

場合によりけり、だと思います。大学での活用法を考えてみましたが、正直、なかなか思い浮かびませんでした。というのも、大学では外回りの営業みたいな仕事は少ないですし、スマホやタブレットよりも、PCに最適化されていた方が良いです。タブレット、スマホ、PC全てでレイアウト調整してくれたらいいのにな、と思います。

また、PowerAppsのアプリを試してみましたが、起動が遅く感じました。オリジナルアプリを立ち上げるまでに、まずPowerApps→次にオリジナルアプリと2回のステップがありますが、その度に待ち時間があって、ちょっとイラっとします(※ホーム画面にオリジナルアプリへのショートカットを設置することはできます)。起動までが、もっさりもっさりです。もっとサクサク動いてほしいところです。

文句を書いてしまいましたが、モバイルアプリがものの数分で出来てしまったのには、正直感動しました。店舗、工場、グラウンドなど、PCを持ち込みづらい場所で活躍するのではと思います。今後の発展に期待、といったところです。

PowerAppsの入門書もぼちぼち登場しています。


続編書きました:

2016年10月13日木曜日

Office365 Education の"Forms"を使ってみよう

はじめに

ウェブサイトを使っていると、よくこのような申込フォームやアンケートフォームを見たことはありませんか?

こういった入力フォーム、専門知識や自分のウェブサイトがなくても簡単に作れるのです。

フォーム作成サービスはいろいろありますが、今回はOffice365 Educationの「Forms」という機能を紹介します。

※Office365 Formsは、2017年7月25日以降、Office365 Education以外のOffice 365 Enterprise や Office 365 Business 等でも利用できるようになったようです。

参考:https://blogs.technet.microsoft.com/officesupportjp/2017/09/05/what-is-forms/

Office365とは

Office365は、Microsoftが提供しているクラウドプラットフォームです。簡単に言うと、おなじみのWord、Excel、PowerpointなどのOfficeソフトがブラウザ上で使え、さらに複数のメンバーで共同作業するための便利な機能(ファイル共有やカレンダーなど)を備えているサービスです。中小企業から大企業までいろいろな組織で導入されています。

Office365 Education とは

Office365 Education は、Office365を教育機関向けにカスタマイズしたバージョンです。教師や生徒が使いやすいようなサービスを備えています。

参照:https://products.office.com/ja-jp/student/office-in-education

Google フォームとの違い

Googleのサービスでも同様のサービスがあり、一般的にはこちらの方が多く使われています。

できることは機能的には似ていますが、違いといえば、多くの場合Formsはみなさんの所属している教育機関で正式に採用されているOffice365のいち機能であるのに対し、Googleのフォームは個人的にアカウントを登録して運用しなければならない点です。

個人で(勝手に)ウェブサービスに登録して仕事で使うことは「野良IT」とも言われ、敬遠される会社や組織があります。

情報の扱いに神経質になってきた昨今です。もしOffice365を組織で契約しており、いらぬ心配をしたくない場合はFormsを使ったほうが無難でしょう。

Formsの使い方

ログイン

まず、Office365にログインをします。アプリケーション一覧の中のこのマークがFormsです。クリックしましょう。




新規作成

+新規作成をクリックします。

タイトルを入れる

一番上の見出しをクリックして、タイトルを変えます。


質問を作る

「質問を追加」ボタンを押します。作れる質問の形式はいろいろあります。


選択肢

1つしか選択できないタイプか、複数回答可能なタイプか選ぶことができます。

質問を編集することができます。また、「サブタイトル」を選んで質問文を補足することができます。解答例を書く時などに使えますね。


テキスト

短いテキスト(一行)か長いテキスト(複数行)か選べます。

評価

5段階または10段階評価を選べます。数字選択か星で回答するかも設定できます。

日付

日付を回答させることができます。日程調整に便利ですね。

クイズ

面白いのがこのクイズ形式です。選択肢をいくつか作り、その中で正解を設定できます。実際のフォームで、外れを選択して送信すると、不正解だと表示されます。小テストなどに使えそうですね。


フォームの送信(公開)

右上の「フォームの送信」を押すと、公開の範囲・方法を選べます。



公開範囲は、デフォルトでは「組織内のみ」にチェックが入っています。この場合、あなたの組織のOffice365ユーザーのみが、このフォームを見ることができます。
もし外部に公開したい場合は、下の「リンクを持つユーザー」にチェックを入れましょう。

公開範囲を決めたら、リンクURLをコピーします。そしてリンクをメールやウェブサイトに貼り付けます。このリンクをクリックすると、ほかの人がフォームを閲覧し、投稿できます。

または、ソースコードをコピーして、ページに埋め込むことができます。ここは少し専門知識が必要かもしれません。

回答を見る

回答タブをクリックすると、回答が閲覧できます。なんと、自動でグラフになります!


Excelファイルで回答をダウンロードする

もしExcelでデータが欲しい場合は、ダウンドーロすることもできます。

Excelオンラインと連携させたい場合はこちらの記事を参照してください:Office365: 入力フォームのFormsからExcelファイルへ情報を送る方法は?


まとめ

以上、Formsの使い方を簡単に解説しました。Formsは2016年初頭にサービス公開となったばかりのようで、これからどんどん機能が改良されていくと思います。

Office365 Educationユーザーは使ってみて損はないですよ。