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2017年1月11日水曜日

ウクライナを知るために読んだ方がよさそうな本


出張でウクライナへ行くことになったので、その前に読んでおく本を探しました。amazonリンクも貼ったので、すぐに買えますよ(時々、リンクがうまく表示されないようです)。

歴史(全体)

ウクライナは世界史の教科書に出てくる「キエフ・ルーシ」の時代から長い歴史を持っています。ウクライナ史の全体像をつかめる本です。
  • 伊東 孝之・中井 和夫・井内 敏夫 編(1998)『ポーランド・ウクライナ・バルト史 (世界各国史) 』山川出版社
 
ポーランド、ウクライナ、バルト(エストニア、ラトビア、リトアニア)の歴史を合わせて叙述した一冊です。なぜこの地域を一冊でまとめたかは、読み進めると分かると思います。ウクライナ以外も同時に解説されていることで、各国の史観に偏らずに歴史を考えることができます(ただし、ウクライナだけで項目を立てている箇所も多いので、そこだけ読んでも勉強になります)。

  • 黒川 祐次(2002)『物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国』中公新書
 
まだ中身を見てませんが…新書なので手頃で読みやすいと思います。読んだら簡単にレビューします。

現代(現代史・政治)

最近のウクライナ紛争に見られるように、20世紀初頭から現在まで、ウクライナは激動の時代を送っています。その現在進行形の状況とその背景を学べる本を探しました。

  • ティモシー・スナイダー(2015)『ブラッドランド : ヒトラーとスターリン大虐殺の真実(上)(下)』(布施由紀子訳)筑摩書房
 
ウクライナ、ベラルーシ、ポーランド、バルト諸国(流血地帯=ブラッドランド)で起こったドイツとソ連による虐殺を扱ったノンフィクションです。この時代の虐殺というと、ガス室送りや銃殺を連想しがちですが、本書で特に扱われる殺害方法は「餓死」です。
p.19「本書が伝えたいこと」には次の記述があります。
ドイツとソ連の殺戮場で使われた殺害方法はむしろ原始的だった。1933年から45年までのあいだに流血地帯で殺された1400万人の民間人と戦争捕虜は、食料を絶たれたためになくなっている。
ウクライナでは1930年代にひどい飢饉となり大量の餓死者が出たのですが、それがソ連による「人工的な飢饉」ではなかったかと言われています(これを「ホロドモール」という)。いくつかの政府や国際機関は、この飢饉を「ジェノサイド」または「人道に対する罪」と認定しています。


そして最近では、2014年の暴動に端を発するウクライナ紛争があります。その後のウクライナ情勢は非常に複雑で、偏向のない報道や書籍を探すのは至難のわざです。様々な書籍や報道を見比べていくのがいいと思います。

  • 現代思想 2014年7月号 特集=ロシア -帝政からソ連崩壊、そしてウクライナ危機の向こう側 – 2014/6/27
ウクライナ情勢について、国際関係のみならず、思想方面からの解説や批評が掲載されています。ただし、ウクライナ情勢の流れについてはまとめられていないので、基本的な事項を報道で再確認してから読むとよいでしょう。

言語

  • 中澤 英彦 (2009)『ニューエクスプレス ウクライナ語』白水社
ウクライナ語はスラヴ系の言語で、文法はロシア語と似ています。ただ、「ありがとう」や「愛している」といった基本的な語彙が全く違っていたり、「呼格」というロシア語にはない格があるなど、違う点はたくさんあります。ロシア語が通じるだろうという考えで行ってしまってはまずいと思います。ロシア語ができる人ほど、基本単語は覚えていきましょう。

文学

  • ゴーゴリ『鼻』
 
ロシア文学で有名な作家ゴーゴリですが、実はウクライナ出身なんですね。ただし当時はロシア帝国のいち地域でしたし、ウクライナ語ではなくロシア語で小説を書いていました。ウクライナ文学と言えるかは微妙ですが、ゴーゴリ作品に「ウクライナ性」を見出している文学研究者もいます。 ゴーゴリの作品はだいたい短く、ロシア文学特有の重々しさはあまりないので、ぜひ読みましょう。

ゴーゴリ「ディカーニカ近郷夜話」の神話論的分析. ―ゴーゴリのウクライナ性と. ウクライナをめぐるロシアのディスクール. 大野斉子.
  • アンドレイ・クルコフ(2004)『ペンギンの憂鬱』(沼野 恭子 訳)新潮社
ウクライナのロシア語作家が書いた作品です。「売れない短編小説家と憂鬱症のペンギンが同居する」という設定の、日常に不思議な、そして不条理な非日常が溶け込んだような作品です。

  • アンドレイ・クルコフ(2015)『ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日』(吉岡 ゆき訳)ホーム社

『ペンギンの憂鬱』のクルコフが、ウクライナ紛争による激動の日々を綴った作品です。


紹介したい「ウクライナを知るために読んだ方がよさそうな本」は現在のところ以上ですが、いろいろと読んでいくうちに追加、補足があれば修正していきます。

2016年10月3日月曜日

海外出張の準備でよく使うウェブサービス

いまの仕事ではよく海外出張に行きます。1年間で10カ国くらいは行っています。何度も海外出張に行って、コツのようなものも掴んできました。
そこで、今回は海外出張の準備でよく使うウェブサービスをまとめてみます。

フライト

フライトスケジュールを調べたり、予約したりするには次のサービスをよく使います。

Skyscanner


フライト検索のサービスはいくつもありますが、ここが一番使いやすいと感じています。往復、片道だけではなくMulti way(複数の経由地)を検索できるところですね。

Flyteam

フライトスケジュールを旅行会社に丸投げや予約サイトで最初に出てきたもので決める場合は必要ないです。ただ、それでは理想のスケジュールが立てられないというときに、こちらを使って時刻表から調べます。分厚い時刻表を見ながら鉄道旅行のスケジュールを考えるような楽しさもあります。

宿泊

Booking.com

海外の宿泊予約には、これさえあれば何もいらない…というほど掲載件数が充実していますし、何より直感的で使いやすいです。一度登録すれば、3クリックくらいで予約が完了するようになっています。最近は国内出張・旅行の予約にもついつい使ってしまいます。
他には次のホテル予約サイトが有名です。

為替

ドルユーロ

宅配で外貨両替をしてくれるサービスです。ウェブサイトから申し込み、指定の口座に日本円を入金すると、ドルやユーロなど外貨が郵送される、という仕組みです。郵便局や銀行で両替するよりも手数料が安いです。時間に余裕があるときは使ってもいいかもしれませんね。お金が宅配で送られてくるのが不安かもしれませんが、筆者は今まで何度か使っていてトラブルはありません。

地図

Google Map (My Map)

訪問する場所を「マイマップ」機能を使って保存しておくと便利です。現地では、コピーして持って行き、タクシーの運転手に見せたりできます。さらに組織内でも共有すれば、今後同じ場所に行く人がわざわざもう一度訪問先の住所を調べる必要はなくなりますね。

まとめ

海外出張前は色々とバタバタとするので、こういった便利なサービスを使ってサクッと準備を終わらせたいですね。

2013年5月3日金曜日

ビシュケク(キルギス)の本屋事情

はじめに

キルギス共和国の首都・ビシュケク。 カザフスタンのアルマティと違い、本屋の数は非常に少ないです。 しかも、なかなか見つけづらいし、天候にも左右されます。
……天候?
どういうことか気になる方は、ぜひ読み進めてくださいね。 以下、ビシュケク市内の本屋情報です。
(情報は記事投稿時点のものです。状況の変化は大いに考えられるので、ご注意ください)

Раритет(ラリチェット)

市内に何店舗かある本屋さんです。 ロシア語の本がほとんどですが、キルギス語の本も僅かに置いてあります。
ロシア語の本については品揃えが豊富です。 デパートのテナントとしても出店していますが、 独立型の主要な店舗は次の2つです。

チュイ通り店(?)

住所:г. Бишкек, пр. Чуй, 271
チュイド大通り沿い、オシュバザール付近にあります。 看板は出ていますが、すぐには見つけられないかもしれません。 写真がなくて申し訳ありません(><)。 ここの特徴は、新品本と共に中古本も扱っているところです。 2階の、レジに向かって左側の小部屋に、古本が置いてあります。
状態のいい本や貴重な本があるので、大変重宝しました。

センター店(?)

住所:г. Бишкек, ул. Пушкина, 78
中心部・アラトー広場のすぐ脇にあります。 お店の看板付近の階段を少し下りた所が入り口となります。 「ここ、本当に本屋さんなの?」という感じの入り口ですが、 中に入ると意外と広い。 こちらもロシア語の本がメインです。 キルギス語の本、現地のロシア語出版物は本棚2つ分くらい。

Одиссей(オディッセイ)

住所:г. Бишкек, пр. Манаса, 40
多目的ホール「フィラルモーニア」の近くにあり、看板も出ており目につきやすい。 ここもロシア語の本が多いが、Раритетより現地出版物の品揃えは豊富な印象です。 Дом русской книги(ドーム・ルスコイ・クニーギ)

Нуска(ヌスカ)

住所:Эркиндик бульвар, 56(google mapで検索しても出ないので注意)
ビシュケク市内で、唯一キルギス語の本・現地出版物を専門に扱っている本屋さんです。 その意味で非常に貴重。店内はあまり広くないが、所狭しと本が積まれている…
とはいえ、「え、これだけ?」と思ってしまう程度の量ではある。 一度は行ってみよう。

露天

さて、以上が店舗なのですが、ビシュケクの面白い所は、 露天の本屋さんが割と充実しているところです。
私が知る限り、次の場所でよく露天の本屋さんを見かけます。

アラトー映画館前

いつも2つくらい島があり、それぞれ全く別の店なのか、 それとも提携しているのかよくわからない。
ロシア語の本とキルギス語の本をわりといい塩梅で揃えています。 新品の本が多いですが、すこし汚れていたりします(だからといって安い訳ではないです)。 他の店では扱っていないような、珍しい本を見かけることもあります。

キエフスカヤ・ソヴィエツカヤ

ツム(中央百貨店)付近、キエフスカヤ通り・ソヴィエツカヤ通り交差点のあたりに、 露天の古本屋さんが大小いくつかあります。
道端に本を広げているだけの店は、居るときと居ない時がありますが、 倉庫を持っているお店は、倉庫の前でいつも本を広げています。
それがこちら。
…犬が店番している(笑)
これは盗めませんね。
ちなみに、店主(?)は、とても気さくなおじさんです(右手前)。

まとめ

以上、ビシュケクの本屋さんを紹介しました。 冒頭で「充実していない」と言った割には、 書き出してみるとなかなか豊富にあるんじゃないかと思い直しました。 ビシュケクへお越しの際は、ぜひ現地でしか買えない本をお土産にしてみてはどうでしょう。

2013年4月5日金曜日

アルマティ(カザフスタン)の本屋事情

はじめに

筆者は、2013年の3月に中央アジア・カザフスタンの最大都市アルマティに行って参りました。 その時に、現地大学の教員からお勧めの本屋を教えていただいたので、その情報を投稿します! 何件かは実際に足を運んだので、店の様子も簡単に紹介します。

(情報は記事投稿時点のものです。ご注意ください)

Книжный город(クニージュニー ゴーラット:本の町)

http://www.bookcity.kz/ (住所:ул. Розыбакиева, 281, выше ТРК "Mega center Alma-Ata".)

アルマティで一番大きな本屋さんらしいです。 今回は時間が無くて行けませんでした…残念!

Гулянда(グリャンダ)

写真の通り、緑に黄色の文字が目印の、かわいらしい外見のお店です。 公式サイトによると、市内に4店舗あるらしいですね。 私は、トレ・ビ(Тле-би)通りの店舗に行きました。 1階は子供向けの本、2、3階に小説や専門書がありました。 私はここで、カザフの法律関係の小冊子を何冊か買いました。 カザフ語の書籍も充実しています。

Эрудит (エルジット)

(住所:Байтурсынова 79)

カザフ国立大東洋学部キャンパスの近くにあります。 市内に何店舗かあるようですが、このお店は小ぢんまりとしていました。 子供向けの本と、教科書、ビジネス書が多いという印象でした。

Никольский базар(ニコリスキー バザール)

カザフ国立大東洋学部キャンパスの近くにあるニコライ・バザールの中に、古本屋さんがあります。 売り子のおばちゃんが流暢な英語を話すので、びっくりしました。 古本は安くていいですね。一冊100テンゲ(約60円)くらいからありました。

ニコライ・バザールは「地球の歩き方」の地図にも載っているので、分かりやすいと思います。 古本屋は、交差点近くの、写真の入り口を入ってすぐのところにあります。

まとめ

アルマティは、隣国キルギスのビシュケクと比べると本屋が充実しているなあ、と感じました。 上に紹介したお店以外もたくさんあると思うので、 他のお店をご存知の方がいましたら、ぜひ情報をお寄せください。