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2017年3月16日木曜日

ITを使いこなすための心構え

「若者のパソコン離れが進んでいる」と言われている昨今ですが、何らかのデスクワークに少しでも関わる仕事であれば、パソコンやウェブサービスを使いこなすことは必須です。

このブログでITのことを色々と書いている通り、私はどちらかというと、パソコンを使うのが得意な方でした。中学生くらいの頃から、自宅で開業していた母に、パソコンの使い方を質問されたら答えて小遣いをもらう、ということもしていました。

いまでも、職場の方にソフトの使い方などを聞かれます。職場にこんなような便利屋さんがいればいいのですが、どこにでもいるとも限りませんし、分からない事を聞いてばかりでは全体の生産性が上がりません。

そこで、誰もがITを使いこなせるようになるためには、どんな意識付けやコツが必要なのか、3つのポイントを考えてみました。

1.「楽をしよう」と思うこと

まず、「楽をしよう」という意識が必要です。パソコンは道具です。道具は、人がより効率的に、楽に仕事をするために作られたものです。なので、目の前にあるパソコンが自分を苦しめるのではなくて、より楽ができると考えてみてください。そして、この考え方は重要です。プログラマーの「三大美徳」の1つは「怠惰」とも言われているぐらいです。

ただし、「すぐに楽をしよう」と思うのはやめてください。パソコンの操作方法を覚えるのには、最初は時間がかかります。別の記事で紹介したショートカットキーにしてもそうです。最初はショートカットを覚えるのに時間がかかります。しかし、ひとたび覚えてしまえば、ショートカットを使う前よりもより素早く操作ができ、長い目で考えるとより楽になるのです。

まるで蟻とキリギリスの話みたいですが、あとで楽できることを願って、最初の苦しみをなんとか乗り越えましょう。(「楽できる」の部分は、別の報酬に変えてもいいと思います。給料アップ、スキルアップ、楽しい、よりたくさん仕事ができる、などなど。)

2. Googleで調べる

ググレカスというネットスラングを聞いたことはあるでしょうか。「ググれ」というのは「Googleで調べろ」という意味で、大抵のことはGoogleで調べれば分かるのだから、いちいち質問してくるな、という意味あいで使われます。

確かにGoogle先生に聞けばだいたいのことは教えてくれますが、その答えに行き着くのに時間がかかり、面倒な時もあります。何ページも見ても、まったく理解できない場合もあるでしょう。そんな場合の対処法をいくつか挙げてみます。

動画を調べる

普通の検索だと、ほとんど文字での解説しか出てきません。これだと操作方法もよくわかりませんよね。そんな時は動画を調べます。

例えば、「Excel 集計」とGoogleの動画検索で調べると、youtubeなどの動画サイトや、Microsoftのヘルプページにアップロードされている解説動画が大量にヒットします。

Google動画検索の結果

OSやバージョン名を入れてしらべる

いくつか情報を読んでもうまくいかない場合は、OSやバージョン名といった細かいキーワードも入れて検索してみてください。WordやExcelは、バージョン(2011、2016など)によって画面や操作方法が違います。またWindowsとMacでも違いがあります。
検索キーワードには、できるだけ具体的なワードを含めましょう。

自分で調べるのは面倒で、ついできる人に聞きたくなるかもしれません。しかし、自分で調べるメリットもあります。第一に、自分でしらべれば自分ごととして、よく覚えられます。また、調べていく中で関係する情報にも自然と目がいき、どんどん知識は増えていくはずです。

3. 体系的に学ぶ

最後に。Googleの浸透により無視されがちなのですが、体系的に学ぶのが習得の近道なのは今も変わりません。

本屋で一冊、ExcelやWordの入門書を買ってみるのもいいでしょう。入門サイトや個人ブログをじっくりと読んでみるのもいいでしょう。

たとえ流し読みでも、体系的に学ぶことで、「このソフトでこんなこともできるのか!」と、気づきがたくさんあるはずです。「たかがExcel」とあなどってはいけません。枠線をつけるとか、合計を出すとか、それくらいは誰もが直感的にできてしまいますが、Excelは奥が深いのです・・・(私もよくわかりません)。

また、学ぶ時に、全てを覚える必要はありません。分からなければGoogleで調べればよいのです。ただ、調べる前に、そもそも「何ができるのか」だとか、調べるのに必要なキーワードくらいは覚えておいたほうがいいでしょう。

まとめ

ITを使いこなすための心構えを、自分なりにまとめてみました。

この3つのコツは、オフィスワークに必要なソフトを覚える時だけではなく、プログラミングでソフトを開発するなど、さらに発展的な事に取り組む際にも、重要になります。
少しでも意識が変わり、ITを使いこなす事によってオフィスの生産性が上がる事を願っています。

2017年2月14日火曜日

スクリーンショット(画面キャプチャ)の撮り方

スクリーンショットとは、パソコンやスマートフォンに表示されている画面の全体または一部を切り取って画像にして保存することです。最近では略して「スクショ」と言わています。また「スクリーンキャプチャ(キャプチャ)」とも言われます。

スクショをすれば、画面に表示されている情報をそのまま、メモ代わりに保存できて便利ですよね。

しかし、スマホでのスクショは分かるけどパソコンでのスクショの撮り方が分からない、という人がけっこういるようなので、まとめてみます。

ショートカットキーを使って撮る

Windows、Macとも、もとからショートカットキーでスクショを撮る機能が備わっています。特にMacのスクショ機能は非常に便利です。

Windowsの場合

キーボードの右端の方に「PrintScreen」または「PrtScreen」というキーがあるはずです。これを使います。機種によって設定が違ったりしますが、
  • Print Screenのみを押す
  • Fn + Print Screen を押す
このいずれかの操作で、現在の画面全体をクリップボードにコピーできます。これをペイントなどのソフトに貼り付け、画像として保存すればOKです。
現在アクティブな(=操作中の)ウィンドウの画像が欲しい場合、次のキーを押します。
  • Alt + Print Screen

Macの場合

次のショートカットキーでスクリーンショットを撮れます。
  • Command + Shift + 3 : 現在のスクリーン全部を撮る
  • Command + Shift + 4 : スクリーンの一部を四角形で切り取る
  • Command + Shift + 4 + スペース → ウィンドウをクリック : 選択したウィンドウを撮る
「カシャ」っと音が鳴って、画像が自動的にどこかに保存されます。デスクトップか「ピクチャ」フォルダにファイルがあるはずです。

ソフトを使って撮る

Windowsの場合、ショートカットキーではスクリーンショットを保存するのが面倒です。そこでソフトを使います。

Snipping Tool

最近のWindowsに標準装備されているソフトです。画面全体、現在アクティブなスクリーンのスクリーンショットが撮れるほか、スクリーンの一部を四角または自由な形で切り取ることができます。

四角形だけではなく自由な形で切り取れるのはいいですね。

ブラウザの機能を使って撮る

ウェブページのスクショを撮りたい時に使えるのが、ブラウザのスクショ機能です。これはデフォルトでは備わっていない場合が多く、新たに拡張機能としてブラウザにインストールする必要があります。ここでは、Chromeの場合を例に説明します。

Chromeウェブストアを開きます。「ストアを検索」にScreenshotと入力して検索します。

すると、スクリーンショットを撮るための拡張機能アプリがたくさん出てきます。この中で評価が良いもの、最近までアップデートされているものを選んでインストールしましょう。私はWebpage Screenshotを使っています。

インストールすると、ブラウザの右上にアイコンが表示されるようになります。表示されない場合はもう一度、設定>拡張機能を開き、機能を有効化しましょう。

スクリーンショットを撮りたいページを開いたら、拡張機能のアイコンをクリックします。
Chrome拡張機能を使っている様子。まさにこれがスクリーンショット。

あとはアプリによって挙動が違いますが、四角で切り取れたり、注釈を入れたり、ダウンロードできたりもします。Webpage Screenshotの場合はこんな画面です。

同じような拡張機能が、FirefoxやInternet Explorerなど他のブラウザでも利用できます。Chromeだと「拡張機能」ですが、他のブラウザだと「アドオン」などと言われます。

まとめ:スクリーンショットの使い道

スクリーンショットは画面に写ったものをそのまま保存できるので、便利です。私がよく使うのは、乗り換え案内や地図を保存しておきたい時などです。また、パソコンに何か問題が発生した時も、その画面をそのまま撮っておけば、詳しい人が問題を解決してくれるかもしれません。

最後に裏技的な使い方を紹介します。

PDFやパワーポイントファイルの一部を切り取って画像にしたい時も、スクリーンショットを使えば一発で画像化できます。画像の質はオリジナルより悪くなりますが、素早く画像を入手できます。

また、テキストをスクリーンショットで撮れば、140字の制限があるTwitterにそれ以上の文字数を投稿できます。写真SNSのinstagramにテキストを投稿することもできます。いろいろな使い方があるわけです。

二次利用は著作権等に留意する必要がありますが、個人 利用であれば気にせず、スクショをどんどん活用しましょう。

2017年2月7日火曜日

パスワード管理サービスは使ってもいいのか

Gmailのログイン画面

ウェブサービスをいろいろ使っていると、IDとパスワードがどんどん増えていきます。私はGoogleのアカウントだけでも5、6個管理しており、SNSや通販サイト、予約サイトなど全て合わせると50個以上のID・パスワードを持っています(数えたこともありません・・・)。

同じパスワードを使い回すことはセキュリティ上、非常に危険なので、それぞれパスワードを変えなければいけません。

50個、100個もパスワードを覚えるなんて、不可能な話ですね。ブラウザーに保存したり、紙にメモしておくのも、それはそれで危険です。付箋に書いてディスプレイに貼っておくなんて論外です。

そこで登場するのが、自分でパスワードを覚えなくても済む、パスワード管理サービスです。

どんなサービスがあるのか

パスワード管理ソフトは、インターネットが登場した当初からあったと思います。要するにセキュリティーの厳重なメモ帳みたいなものです。そういったソフトでは、パスワードのデータはパソコンの中に収まっていました。

それが、ここ数年はパスワード情報をクラウドに預けてしまう、というサービスが次々と出て来ました。

マスターキー(1つのパスワード)さえ覚えておけば、ブラウザの拡張機能を使って、ID・パスワード入力フォームへ自動的に情報を入力してくれる、という仕組みです。

これによって、オフィスのPC、家のPC、スマホ、タブレットなど、どんな端末からでも自分のパスワード情報に簡単にアクセスできるようになりました。まさに今の時代にあったサービスです。

また、パスワード自動生成機能もついており、セキュリティー効果が高い複雑なパスワードを生成し、そのまま使用し保存できるようになっています。
この手のサービスには、次のようなものがあります。

1password

URL: https://1password.com 価格:
  • $2.99~(個人プラン)
  • $4.99~(ファミリープラン) 他に、ビジネス向けプランあり。

Lastpass

URL: https://www.lastpass.com/ja 価格:
  • 無料
  • $1~(プレミアムプラン) 他に、ビジネス向けプランあり。

True Key

URL: https://www.truekey.com/?locale=ja 価格:
  • 無料
  • $19.99年

パスワードマネージャー

URL: http://safe.trendmicro.jp/products/pwmgr.aspx 価格:
  • 120円/年〜
それぞれ、無料や安い方のプランには、登録できるパスワードの数や共有できる人数、使用できるデバイスなどに制限があります。

まとめ:これは使ってもよいのか

「便利なのは分かった。でも、パスワードを他人のサーバーに預けるんでしょ、危険じゃないの?」と思うかもしれません。それはもっともです。

これは価値判断の問題だと思われます。同じパスワードを使いまわしたり、紙にメモして置いたりして自分で管理するのと、プロフェッショナルな会社が何千万、何億もかけて構築した、厳重なセキュリティー管理下に置かれたサーバーに預けておくのとどちらが安全なのか、という問題です。True Key はCPUで有名なインテル、パスワードマネージャーは「ウィルスバスター」で有名なトレンドマイクロ社が提供しています。

ただし、職場の規定によってはこういったサービスの利用が禁止されている場合もあるので、仕事で使う場合はよく確認してください。

ちなみに私は、プライベートではLastpassを使っています。もうこれなしではインターネットを使えません。それくらい便利です(仕事で使っているかどうかはノーコメントでお願いします)。

2017年2月2日木曜日

ワークフローを自動化「ハブサービス」の未来は?

この概要は表示できません。投稿を閲覧するには ここをクリック してください。

2017年1月31日火曜日

大容量ファイルを送らなきゃいけない時の対処法


数MB(メガバイト)、数十MBの大容量ファイルを送らなければいけない時、ありますよね。写真やプレゼンテーションファイル等々。メールシステムによっては、送信/受信する際の添付ファイルのファイルサイズが制限されていることもあります。Gmailは添付ファイルは25MBまでです。私の職場のメールシステムは、確か5MBくらい。

でも、なんとかデータを送らねばならない…そんな時の対処法をまとめてみます。ここでは個々の方法をメモ程度にしか書きません。詳細は別に記事を書く予定です。

手渡し

相手が近くにいれば良いものの、離れた場所にいたら使えない方法ですね。遠くの場合は郵送やバイク便を使ったりします。

USBに入れて手渡し

最近のUSBは安くて大容量です。一方で、USBを持ち出している間に紛失し情報流出、なんていう事態もよくあります。手軽なぶん、あまりおすすめできません。

ディスクに焼く

データ用のCD-R、DVD-Rなどに焼いて渡すまたは物理的に送付するという方法です。一昔前はこんな方法が多かったですね。おそらく今の若いコは、CDやDVDに「焼く」なんていう文化を知らない人も多いはずです。

このあとは、物理的な方法を用いないパターンを書いていきます。

圧縮できないか確かめる

ファイルの種類によっては、圧縮してファイルサイズを小さくしてメール添付で送れる場合があります。まず、その可能性を探ってみまそう。

画像の場合

最近のカメラは高画質ですが、ファイルサイズがとにかく大きいですよね。デフォルトの設定だと平気で5MBを超えてしまいます。

そんな時は、画像圧縮ソフトを使います。大量のファイルを一括で圧縮(正確に言うと画像サイズを小さくすること)ができるので便利です。

Windowsの場合

Macの場合

PDFの場合

ブラウザだけで!PDFをいろいろ変換する方法で紹介したように、ブラウザ経由でPDFを圧縮できるサービスがあります。これで圧縮すると、場合によっては半分くらいのサイズになります。

Word、Powerpointの場合

WordやPowerpointでファイルサイズが大きくなる理由は、ファイルで使っている画像です。これがもとの画像のまま貼り付けられていると、ファイルサイズが大きくなってしまう場合があります。

そんな時は、詳細設定から画像を圧縮するように設定をして、ファイルサイズを小さくします。

圧縮フォルダ(zipなど)を作る

圧縮フォルダを作れば、その名の通り圧縮されてファイルサイズが小さくなります。ただし、思ったよりもファイルサイズが減らないパターンは、かなり多いです。先にファイル自体を圧縮する方法を試しましょう。

圧縮フォルダ作成ソフトのおすすめは次の通り。MacはデフォルトでZIP圧縮が簡単にできるので、特別なソフトは不要でしょう。

Windows

大容量ファイル転送サービスを使う

圧縮できるかどうか試してもメール添付できる容量まで減らない場合は、ファイル転送サービスを試してみましょう。

これは、一旦あるサーバーにデータを預けて、そのダウンロードリンクを相手に知らせる、という仕組みです。

この手のサービスでは、次のものが有名です。
宅ファイル便やfirestorageは老舗なので、使ったことがあるかもしれません。タブレットやスマートフォンともやり取りする場合はSendanywhereがおすすめです。

ファイルストレージサービスを使う

これも上の大容量ファイル転送サービスと似ています。ただ送るだけではなくて「共有する」という考え方です。主な方法は次の2つ。
  1. クラウドサーバーに預けたファイルのダウンロードリンクを相手に送る。
  2. 相手もそのサービスに登録してもらい、共有設定から相手のアカウント(あるいはメールアドレス)を追加する。
頻繁にやり取りをする相手であれば、2の通り相手にもファイルストレージサービスに登録してもらうことをおすすめします。

チャットサービスを使う

最近、チャットワークやSlackといったチャットサービスがたくさん登場しています。そういったチャットサービスには、大抵ファイル共有機能も付いています。
ドラッグ&ドロップで画面に放り込めばアップロードされます。相手はファイルをクリックしてダウンロードすればいいだけです。その後ファイルを使いたい時も、検索機能を使って調べればすぐにファイルが見つかります。

しかしチャットツール場合、必ず相手もサービスに登録してもらう必要があります。頻繁にやり取りをする相手であれば、この際チャットツールに登録するのもありですが、一回限りの場合は面倒ですね。

まとめ:どの方法が一番いいか?

場合によりけりですが、基本的にはファイルストレージサービスを使う方法が一番良いと考えます。何でもかんでもメール添付で、というのはメールボックスの容量を圧迫しますし、 誤送信の危険もあるので、ファイルストレージを使えるもんなら使いましょう。

2017年1月26日木曜日

教育現場でチャットツールを使うメリット・デメリット

slack.comより

仕事でのコミュニケーションツールは電子メールが一般的でしたが、ここ数年はチャットワークSlackなど、ビジネス向けのチャットツールの浸透が進んでいます。特にIT関係の企業では使っていない会社な皆無だと思いますし、他の業種でも活用が進んでいます。

なぜメールではなくチャットツールかというと、メールよりも素早いやり取りが可能になり、効率良く仕事ができるからです。

となると、教育現場でもチャットツールを使えば良いのでは、という考えが生まれると思います。そして、実際に使用している例もあるでしょう。

日本発のチャットツールChatworkを導入している大学はいくつかあります。




この記事では、教育現場でチャットツールを使うことのメリット・デメリットを考えます。

前提

教育現場といっても小学校から大学までいろいろありますが、ここでは筆者の働く大学を例に出してみます。ただ、教育現場全般に通じる点もあるかと思うので、大学関係者以外もどうぞご覧ください。

そして教育現場と言っても、2種類の関係性が考えられます。1つは教職員のみのコミュニケーションです。もう一方は、教職員と学生(生徒)とのコミュニケーションです。両者は明らかに質が違うので、分けて考えてみます。

教職員間

まず、教職員間でチャットツールを使うことのメリット・デメリットを考えてみます。

メリット

  1. 応答のスピードが速くなる
  2. 情報共有が円滑になる
  3. 様々な連携機能を使える
メリットは、一般企業で導入する際と同じだと思います。チャットツールであれば、メールと違って件名や冒頭の定型文(「お世話になってます」など)を入力する必要はありません。カテゴリごとに決まったグループに投稿する仕組みなので、CC(同報)に誰を入れるかで悩む必要はありません。こういったことで、メッセージのやり取りは遥かに速くなるはずです。

また、メールよりもより気軽に投稿できるため、情報共有が円滑になります。グループメンバーは基本的に全員がメッセージを見るので、メールのように一部のひとにしか情報がいかない、といったことを防げます。

最後に、ChatworkやSlackといった有名なチャットツールは、他のツールとの連携が豊富です。Googleカレンダーと連携して自動リマインダーを設定したり、Dropboxと連携したファイル共有ができるなど、業務効率化につながる仕組み作りができます。

業務効率化という点と、情報共有による様々なシナジー効果には期待ができるでしょう。

デメリット

  1. 大事な情報が流れていってしまう
  2. 組織全体での定着が難しい
  3. メールとの使い分けが難しい
  4. 距離感が取りづらい
チャットツール自体のデメリットとしては、グループ内にどんどんメッセージが流れてくるため、放っておくと大事な情報が流れていってしまう、といった点があります。大切なメッセージに目印をつけられる「スター機能」「スレッド機能」などは付いているのですが、例えば一週間くらい仕事を離れると未読メッセージが大量に溜まっていて、どれが大切なお知らせか分からなくなってしまいます。メールだと一応ひとつひとつ開封する、件名で重要性を判断する、といったことがやりやすいので、この点はチャットツールの劣る点です。

次に、大学は巨大組織です。私の勤務先は教職員だけで1万人います。部署内ならともかく、大学全体で導入するとなると、その労力は測り知れません。また部署内で導入するにしても、組織全体で導入していなければ結局メールも併用することになり、チャットツールが浸透しない可能性があります。まあ電子メールが何だかんだで浸透したように、使い始めれば問題はなくなるのかもしれませんが。

あと、大学特有の問題ですが、教職員の間には独特の距離感があったりします。教員同士もそうですし、教員と職員の間も、同僚ではあるけれどもいわゆる会社員同士とは違う関係性があります(どう表現したらよいのか・・・)。チャットツールは距離感としてはメールよりもだいぶフランクになるので、この距離感が教職員に適しているかというと、何とも言えません。

教職員と学生の間

次に、教職員と学生の間でチャットツールを使う場合のメリット・デメリットを考えます。これは、主に授業や研究室内で使うことを想定しています(学生支援業務で使うパターンは、今回は除きます)。

メリット

  1. 学生の主体性を引き出せる
  2. 共同作業がしやすくなる
効率化の面もありますが、教育上の効果も期待できます。例えば大教室での授業だと、発言をするのはなかなか勇気がいりますよね。チャットツールでも発言をできるようにすれば、どんな学生も気兼ねなく自分の意見を投稿できるでしょう。その投稿を見ながら、教員がこれはと思う意見について、指名して詳しい意図を引き出す、といった使い方もできます。

またゼミなどの少人数の場面でも、プレゼンテーションの準備やPBL(Project Based Learning)の授業で共同作業をする際に、コミュニケーションがとりやすくなります。学生はもとよりLINEやMessangerでやりとりをしていると思いますが、それに教員が割って入るわけにもいきません。チャットツールをオフィシャルなツールとして、そこでやりとりをしてもらえば、教員が適宜フィードバックをして共同作業を進めることができます。

デメリット

  1. 学生との距離感
  2. 学生同士の問題
デメリットは、またも距離感の問題です。大学生はいくら大人だからと言っても、教員と学生という立場は変わりません。チャットツールは気軽にやりとりができる分、気をつけてないと行きすぎた言動をしてしまいます。それが学生にとってはアカハラやセクハラと取られる場合があります(メールでもアカハラ・セクハラは可能ですが・・・)。大学生ではなく中高生相手ならなおさらです。

また、学生同士でもLINEグループでのイジメに見られるように、しっかりと規律を持っていないと問題が発生しかねません。

学生は勝手にグループを作れないように設定する、ダイレクトメッセージは送らない、など何らかのルールは決めておくべきでしょう。

他のデメリットは、あまりないと思われます。今の学生であればチャットは使い慣れているので、導入にもさほど障害はないでしょう。

まとめ

以上、教職員間と教職員・学生間で分けて、チャットツール導入のメリット・デメリットを考えてみました。

総じて、教職員間でのチャットツールの導入にはメリットと同じくらいデメリットもありそうです。組織の体質やトップの考え方に大きく拠るところだと思うので、チャットツールの導入は慎重に考えたほうがよいでしょう。小規模な私立大学などなら、やりやすいかもしれません。

逆に教職員・学生間でのチャットツール導入は教育上のメリットがありそうです。セクハラ、アカハラ、いじめなど情緒的な問題さえ防げそうであれば、導入を積極的に検討すべきと思われます。特にビジネス向けチャットツールを使いこなすスキルは、就職後も活かすことができます。スキル教育の意味でも、利用を考えてみてもよいでしょう。

2017年1月19日木曜日

[Excel]VLOOKUPでちょっとした自動化・効率化

Excel地獄の大学

大学の事務処理にはとにかくExcelが付き物です。Excelファイルがメール添付で送られてきて「これに入力して提出してください」・・・これがよくあるパターンではないでしょうか?

何でもかんでもExcelで書類を作らなければならない環境のことを「Excel地獄」と言います。ここでは、JASSO留学支援奨学金のネ申エクセル問題についてに書いたような仕事が発生します。

地獄にあっても、仕事は仕事。好むと好まざるに関わらず、送付されたExcelファイルを使って作業しなければなりません。そんな時に役に立ちそうなのが、VLOOKUPという関数です。

VLOOKUP関数とは

VLOOKUP関数は、 ある表からデータを検索して引っ張ってきてくれる関数 、のことです。
= VLOOKUP (検索する値, 値を検索する範囲, 戻り値を含む範囲の列の番号, 完全一致か近似一致か - 0/FALSE か 1/TRUE で指定)
SUMのような単純な関数に比べると、ちょっと長いです。が、一度使い方を覚えると、非常に便利です。

VLOOKUP関数の使い方はいろいろな所で解説されているので、覚えましょう。



どんな時に使えるか

上にリンクを貼った解説は、企業で使うことを想定されているので、例が請求書とか在庫一覧とかです。

では、大学業務ではどういったことに使えるのでしょうか。例を2つ見ましょう。

例その1:あるテンプレートで、氏名、所属等が入った書類を大量に作る時

あるエクセル申請書に、学生(あるいは教職員)数十名ぶんの氏名や所属を記載した書類を作らなければいけないとき。

もしWordであれば差し込み印刷機能を使えば簡単にできます(参照:[Word]差し込み印刷機能で修了証を作ろう)しかし、Excelではこれができません。

Excelでは差し込み印刷機能の代わりに、VLOOKUPを使えばできます。
  1. 申請書類とは別のシートに氏名・所属のリストを作ります。この時に、一番左の列に、1番から連番で番号をふります。
  2. 申請書類シートの印刷範囲以外のセルに半角で「1」を入力します。
  3. 申請書類シートの氏名・所属を流し込むセルにVLOOKUPの式を入れます。この時に、「検索する値」としては「2」で数字を入れたセルを指定します。式の例はこんな感じになります。
  4. =VLOOKUP(AN1,氏名リスト!$A$2:$D$100,3)
  5. 「2」で入力した数字を2,3,4,5と入れていくと、氏名・所属が「1」で作成したリストの順に変わっていくはずです。
スクリーンショットがなくてすみません。時間ができたら、スクリーンショットつきで詳しく解説します。

例その2:日本語表記を英語表記に置き換えたい時

例えば、交換留学生のリストがあったとします。これは例ですが、実際は大量にデータがあるとします。
氏名 所属大学名
John Lemon マサチューセッツ観光大学
Maria Yulievna ロシア国立研究大学
Azat Kashimov チュイ州立大学
この日本語表記を英語表記に一括で置き換えたい時、どうしますか?
もし大学名の日本語・英語表記対照リストがあれば、VLOOKUPを使って簡単に置き換えられます。
  1. 別のシートに大学名の日本語・英語表記対照リストを貼り付ける。この時、日本語大学名を一番左の列に入れる。
  2. 一番右の列に、VLOOKUPの式を入れる。この時、「検索する値」には左の列(所属大学名)を指定する。式はこんな感じになるはず。
  3. =VLOOKUP(B2,大学名リスト!$A$2:$D$100,2)
  4. VLOOKUPの式を一番下までドラッグしてコピーする。すると、英語表記が一番右の列に自動入力されるはず。
  5. 日本語の所属大学名の列を消せば完了。

まとめ

VLOOKUPの便利さを分かっていただけたでしょうか。

例1では数字をキーにしてリストを検索しましたが、例2では文字をキーにしてリストをしました。数字でも文字でもどちらでもいいのですが、とにかく「固有の情報」と「リスト」があれば、いちいち手作業しなくても自動で情報入力ができるのです。

使用機会はそれほど多くないと思いますが「こういう関数がある」と覚えておけば、いざという時に2、3時間ぶんを一気に短縮できると思います。