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2018年4月5日木曜日

【2018年版】これから大学で働く人に読んでもらいたいIT入門記事


この春から、全国の大学で職員、教員、研究員、コーディネーターなどとして働き始める方はたくさんいると思います。

大学の特徴として、とにかくデスクワーク、ペーパーワークが多いという点があります。Excel、Word、パワポのオンパレードです。なので、何にもまして、Officeソフトを中心にITを活用して、業務を効率的に進める事が重要になります。特に最近は、国公立大学での人員削減や採用抑制が目指されているので、効率化の必要性は高まっています。

正規職員として採用された 方は新人研修などがあるかもしれませんが、教員や研究員、非正規職員にはほとんどないでしょう。分野や研究室にもよりますが、これまで研究一筋で事務仕事など経験がないという方には試練の連続だと思います。

このブログでは、IT系企業を経て大学で働いている筆者が、ITを活用して業務を効率化するための記事をいろいろと書いています。

その中から、まさにこれから大学で働く新任者に役立ちそうな記事を選んで紹介します。

全般・心構え

まずは心構えからです。パソコン仕事が苦手な方は、まず読むことをおすすめします。パソコンを使いこなすのは難しい・・・と思い込まず、「楽をしよう」と認識することが大切だと思います。
わざわざ右クリックしたり、メニューを選択しなくても済む「ショートカットキー」という方法。使ったことのない人は、基本的なものから試しましょう。

Officeソフト

名前のリストとテンプレートをもとに、修了証を簡単に作る方法です。ほかにも宛名印刷、通知文書などにも応用できます。
これもWordの差込印刷機能に似ています。あるリストをもとに、別のシートで何かを一括入力したい時に便利です。

Office365

普通のOfficeソフトではなく、オンラインで使えるMicrosoftのサービス「Office365」を組織全体で契約している、というところも多いと思います。

Office365はWordやExcelをブラウザーで使えるほか、データをクラウドに保存できたり、アンケートフォームを作ったり、業務アプリを作ったり、といった機能があります。これらをうまく活用すれば、仕事をさくさく進めることができます。

まずはフォーム作成機能のFormsについて。フォーム作成はいまや、必須の事務スキルと思います。
Office365には、Skypeの発展版のような、チャットを使ったコミュニケーションツールのTeamsがあります。チームでの作業を迅速にできます。
ちょっと発展的ですが、PowerAppsというソフトを使えば、プログラミング不要で、オリジナルの業務用アプリを短時間で作ることができます。

メール

よくある「ファイルが重すぎてメール添付で送れない!」という場合の対処法。活用する機会があるはずです。これは特に、学生にも知ってほしいです。

ウェブサービス

オフィスワークでよくある、「画像をPDFにしたい!」「PDFを画像にしたい!」「PDFを圧縮したい!」などといった事が、ウェブブラウザだけで簡単にできちゃう、という話。
クラウドストレージのDropboxに、隠れた便利なサービスがあります。多数のひとから、ファイルをアップロードしてもらえるサービスです。レポートや写真の回収に利用できます。
ウェブサービスをたくさん使っていると、大量のパスワードを覚えなければなりません。その煩わしさから解放してくれる便利なサービスがあるのですが、果たして・・・。

小技

使う機会があるかわかりませんが、一応。

発展

本気で業務改善に取り組みたい場合は、次の記事が参考になるかもしれません。意欲のある方はどうぞ。

最後に

紹介した記事は、当ブログに掲載した記事だけなので、ITを使いこなすための心構えで書いたように、Googleで情報を調べたり、体系的に学ぶなどしてスキル向上を目指しましょう。

ここ最近、日本の大学教育や研究環境の危機が叫ばれています。
限られた資源を、研究力・教育力の向上に注ぐ為にも、大学に関わる個々人のスキルアップは欠かせないと考えています。私がこのブログで効率化の記事を色々と書いている理由もこれです。

やたらめったらITを導入すればいいわけではありませんが、こうした知識が少しでも課題解決に役立つことを願います。

最後に、愚痴の記事を一つ。
JASSOが指定するExcelフォーマットが非常に煩雑という件。この記事を書いたおかげか知りませんが、年々、少しずつ簡略化と改善が見られます。

参考文献:

2017年11月14日火曜日

Office365: 入力フォームのFormsからExcelファイルへ情報を送る方法は?


以前の記事Office365 Education の"Forms"を使ってみようで、Office365 Educationの入力フォーム作成機能「Forms」について紹介しました。今回は「Formsに入力された情報をリアルタイムでExcelオンラインファイルに反映させる方法」を紹介します。

※FormsはOffice365 Education以外でも利用できるようになったようです。ただし本記事は、Office365 Educationでの環境を基準に解説しているため、若干の仕様の違いがある可能性があります。

どういう機能か?

Googleが提供する同じようなサービス「Googleフォーム」を使ったことがある人は多いと思います。そこで、Googleフォームの同じ機能をまず簡単に紹介します。

Googleフォームでは、フォームを作ると「回答」タブが現れます。これをクリックし、スプレッドシートらしき緑のアイコン横のメニューボタンをクリックします。この中で、「回答先を選択する」をクリックし、スプレッドシートを作成(あるいは既存のファイルを選択)します。



すると、フォームで回答した内容は、リアルタイムにこのスプレッドシートに次々と追加されていきます。回答結果を他の人とも 共有したい時、リストをすぐ使いたい時など、非常に便利ですよね!


Office365での設定方法

では、Office365で同じことをやりたい場合、どうしたらよいのでしょうか。

現状では、Googleフォームと同様にFormsの画面からExcelを作成したり、選択したりすることはできないようです。Formsの「回答」タブに「Excelで開く」というボタンがありますが、これを押すとExcelファイルがダウンロードされるのみで、Excelオンラインのファイルは生成されません。


ではどのようにするかというと、まず最初に、データを入れるExcelファイルを作る必要があります。

Office365のトップ画面からExcelオンラインファイルを作成します。


そして、メニューの中に「Forms」というアイコンがあるので、これをクリックします。



いつものFormsの画面になるので、フォームを作成していきます。

再びExcelオンラインファイルを見ると、回答を入れる列が自動で作成されています。


フォームを試しに入力してみると・・・・


ちゃんと反映されています!

できればForms画面からもExcelオンラインファイルを生成できるようにしてほしいのですが、まあこの方法も特に難しくはないですね。

注意点

ここで注意点を1つ。

フォームを作成したあと、Excelのファイル名を変更したり、移動したりすることができません。こんな表示が出ます。


おそらく、Formsと自動連携しているため、ファイル名や場所を変更すると不都合が生じるのでしょう。ExcelとFormsを連携させたい時には、はじめからファイル名や場所をきちんと決めて作成する必要があります。

まとめ

以上、FormsからExcelオンラインへリアルタイムに情報を送る方法を紹介しました。Formsの進化は早く、Googleフォームを追い上げていると思います。

まだまだ、Googleの方が良いなあという点もあるので、今後の発展に期待しましょう!

2017年1月19日木曜日

[Excel]VLOOKUPでちょっとした自動化・効率化

Excel地獄の大学

大学の事務処理にはとにかくExcelが付き物です。Excelファイルがメール添付で送られてきて「これに入力して提出してください」・・・これがよくあるパターンではないでしょうか?

何でもかんでもExcelで書類を作らなければならない環境のことを「Excel地獄」と言います。ここでは、JASSO留学支援奨学金のネ申エクセル問題についてに書いたような仕事が発生します。

地獄にあっても、仕事は仕事。好むと好まざるに関わらず、送付されたExcelファイルを使って作業しなければなりません。そんな時に役に立ちそうなのが、VLOOKUPという関数です。

VLOOKUP関数とは

VLOOKUP関数は、 ある表からデータを検索して引っ張ってきてくれる関数 、のことです。
= VLOOKUP (検索する値, 値を検索する範囲, 戻り値を含む範囲の列の番号, 完全一致か近似一致か - 0/FALSE か 1/TRUE で指定)
SUMのような単純な関数に比べると、ちょっと長いです。が、一度使い方を覚えると、非常に便利です。

VLOOKUP関数の使い方はいろいろな所で解説されているので、覚えましょう。



どんな時に使えるか

上にリンクを貼った解説は、企業で使うことを想定されているので、例が請求書とか在庫一覧とかです。

では、大学業務ではどういったことに使えるのでしょうか。例を2つ見ましょう。

例その1:あるテンプレートで、氏名、所属等が入った書類を大量に作る時

あるエクセル申請書に、学生(あるいは教職員)数十名ぶんの氏名や所属を記載した書類を作らなければいけないとき。

もしWordであれば差し込み印刷機能を使えば簡単にできます(参照:[Word]差し込み印刷機能で修了証を作ろう)しかし、Excelではこれができません。

Excelでは差し込み印刷機能の代わりに、VLOOKUPを使えばできます。
  1. 申請書類とは別のシートに氏名・所属のリストを作ります。この時に、一番左の列に、1番から連番で番号をふります。
  2. 申請書類シートの印刷範囲以外のセルに半角で「1」を入力します。
  3. 申請書類シートの氏名・所属を流し込むセルにVLOOKUPの式を入れます。この時に、「検索する値」としては「2」で数字を入れたセルを指定します。式の例はこんな感じになります。
  4. =VLOOKUP(AN1,氏名リスト!$A$2:$D$100,3)
  5. 「2」で入力した数字を2,3,4,5と入れていくと、氏名・所属が「1」で作成したリストの順に変わっていくはずです。
スクリーンショットがなくてすみません。時間ができたら、スクリーンショットつきで詳しく解説します。

例その2:日本語表記を英語表記に置き換えたい時

例えば、交換留学生のリストがあったとします。これは例ですが、実際は大量にデータがあるとします。
氏名 所属大学名
John Lemon マサチューセッツ観光大学
Maria Yulievna ロシア国立研究大学
Azat Kashimov チュイ州立大学
この日本語表記を英語表記に一括で置き換えたい時、どうしますか?
もし大学名の日本語・英語表記対照リストがあれば、VLOOKUPを使って簡単に置き換えられます。
  1. 別のシートに大学名の日本語・英語表記対照リストを貼り付ける。この時、日本語大学名を一番左の列に入れる。
  2. 一番右の列に、VLOOKUPの式を入れる。この時、「検索する値」には左の列(所属大学名)を指定する。式はこんな感じになるはず。
  3. =VLOOKUP(B2,大学名リスト!$A$2:$D$100,2)
  4. VLOOKUPの式を一番下までドラッグしてコピーする。すると、英語表記が一番右の列に自動入力されるはず。
  5. 日本語の所属大学名の列を消せば完了。

まとめ

VLOOKUPの便利さを分かっていただけたでしょうか。

例1では数字をキーにしてリストを検索しましたが、例2では文字をキーにしてリストをしました。数字でも文字でもどちらでもいいのですが、とにかく「固有の情報」と「リスト」があれば、いちいち手作業しなくても自動で情報入力ができるのです。

使用機会はそれほど多くないと思いますが「こういう関数がある」と覚えておけば、いざという時に2、3時間ぶんを一気に短縮できると思います。

2016年12月27日火曜日

JASSO留学支援奨学金のネ申エクセル問題について

自民党の河野太郎議員が、科研費の申請書などで使われている、非常に扱いづらく煩雑なエクセルファイル、通称「ネ申エクセル(または神エクセル、以下「神エクセル」)」を廃止するよう提言したことが話題となっています。

データとして役立たない「神エクセル」問題に解決の兆し 河野太郎議員が文科省へ全廃を指示

これに似た問題が、JASSO(日本学生支援機構)留学支援奨学金関係の神エクセル問題です。すでにどなたかが問題提起されているかもしれませんが、大学で国際交流に携わっている私からも、問題提起させてください。

※ネ申(神)Excelについては三重大学の奥村先生が書かれた論文に詳しいので、そちらを参照してください:「ネ申Excel」問題

JASSO留学支援奨学金とは

JASSO(日本学生支援機構)は、経済的に支援が必要な学生を対象に奨学金を提供している独立行政法人です。JASSOの奨学金は返済が必要であり、実質は学生ローン。奨学金の返済ができずに破産する例が相次ぐなど社会問題となり、平成29年度からは返済不要の奨学金が始まります。

実はこのJASSO、通常の奨学金の他に、海外留学をする学生、また海外から日本へ受け入れる学生に対して返済不要の奨学金も支給しています。今回取り上げたいのは、大学間協定に基づく交換留学を支援する奨学金にまつわる書類についてです。

JASSOが提供する神Excelについて

まずは、日本人学生の海外留学を支援する、JASSO(日本学生支援機構)協定派遣のページをご覧ください。

http://www.jasso.go.jp/ryugaku/tantosha/study_a/short_term_h/2016.html

平成28年度海外留学支援制度(協定派遣)事務手続きについて>「1.事務手続きの手引き・様式等」のところに、大学の海外派遣担当者が提出しなければいけない書類が掲載されています。

ぜひ、1つ1つ、Excelファイルをダウンロードして中身を見てみてください。

例えば、平成28年度海外留学支援制度(協定派遣)登録データ
留学期間を数値で入力すると、右の 月別に別れた列に、自動で ○ が入力されていきます。高機能です。「開始月と終了月の合算日数(BF)」列が閏年で計算される不具合」があったようですが、つい先日、修正されたようです。


・・・めまいがしてきませんか?

この他にも、提出すべきExcelファイルは盛りだくさんです。非常に神々しいExcelファイルの数々です。あまりの煩雑さに、毎年、毎月、留学担当者たちは悲鳴をあげているのです。しかも様式が年度によって変わったりするのがまた大変で・・・。

職員だけでなく、学生も大変です。奨学金を受給した学生は、受給期間終了後にいくつかの書類を出す必要がありますが、そのうちの一つがこれ:平成28年度海外留学支援制度(協定派遣)報告書関係様式(様式G~J) 。「様式H-3」というシートをご覧ください。Excelで、横にずーーーっと続くアンケートに回答しなければいけません。小さな正方形の中に回答を入力しないといけないのです。学生はお金をもらっている側なので、文句は言えません。粛々と回答して提出してくれます。


これを提出されて集計する方のJASSO職員の方々も、おそらく相当な苦労をされているはずです。ちなみに大学からJASSOへの提出は、一部は紙で、一部はExcelで、となっているみたいです。

その背景について推測

なぜこのような 神エクセルが誕生してしまったのか。私はJASSO内部の者ではないので、その背景は分かりませんが、推測はできます。

JASSOの留学支援奨学金は、借り手からの返済で成り立っている通常の奨学金と違い、国の予算から直接支出されているものです。なので、きちんと目的に適った利用がされているという証拠を残さねいけません。よって、誰に対して奨学金が支給され、どのような効果があって、という情報を、できるだけ細かく蓄積しておかないとならないのでしょう。

しかし、このような煩雑な書類作成ばかり求められるとなると、大学ではそれなりの数の事務スタッフが必要ですし、JASSOでもスタッフが必要となります。その人件費や、掛けられている膨大な時間をもっと有意義なことに使えるのではと思います。

解決策は?

エクセルを廃止して全てをウェブシステム化…というのが理想かもしれませんが、システム化にはデメリットがつきものです。下手なシステムを作ってしまうと、エクセルよりも作業が煩雑になってしまい、かつ莫大な制作コスト、運用コストがかかります。まずは現状の運用方式での簡素化・合理化、業務フローの見直し、一部のシステム化などから始めてもよいのではと思います。

私は末端のいち担当者なので何の力もありませんが、とにかく、ここにも「 神エクセル問題」があることを知っていただけたら幸いです。